coming-out (ページ10)

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Aoki side

朝起きるとこっちを見ながら

今日もなんでこんな可愛いだろ

って言い寝起きの僕のほっぺたをなぞる彼女がやけに色っぽくて。

あぁ幸せだな、なんて思いながらカーテンを開ける。

そんな毎日。

洗面所で鏡を見ながら一生懸命化粧している彼女のもとへてくてく歩いていって

腰に手を回し後ろから抱きついた。

青木『今日も可愛いね』

『ありがとう笑あ、こっち向いて。

今日は私とお揃い、紫系のメイクをしてあげます。

檜山くんだ檜山く…ん』

そう笑う彼女が愛おしくて。

気づいたら彼女の口を塞いでて。

『なぁんでチューするのさぁ』

青木『他の男の子の名前でたからちょっと嫉妬しちゃった？なーんてね、可愛かったから』

朝から顔を真っ赤にして、もぉーって怒って。

今日はピンクのチークですかぁなんてからかってみたり。

別にメイクされるのが特別好きってわけじゃないけど、

彼女の嬉しそうな顔を見れるなら、喜んでくれるならなんでもよかったんだ。

けど、あの日から彼女の目は開かない。

声は聞こえない。

どんなに名前を呼んでみても、どんなに手を伸ばしてみても届かないんだ。

先生から告げられたのはいつ目を覚ますかわからないと。

もしかしたらもう起きない可能性もあると。

俺らから幸せを奪った、そんな奴らを絶対に許さない。

そんな奴らが幸せに、のうのうと生きてるそんな世界許しちゃいけないんだ。

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