coming-out (ページ27)

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Fukada 彼女 side

目を覚ましてから聞いたのは、檜山くんの彼女さんと湧くんの彼女さんが亡くなってしまったこと。

約半年眠っていたこと。

竜生が毎日いてくれたこと。

たまに檜山くんがお花持ってきてくれたりしてたこと。

なかなか声がうまく出せないこと。

深田彼女『檜山く、、ん、、』

檜山『どうした、？？』

深田彼女『檜山くんに、渡さなきゃ、、いけない、、ものがある、、

りゅうせ、、私の部屋の、、机の下、、キラキラした箱から、、

紫の封筒、取ってきて、』

深田『わかったちょっと待っててな。いっぱいしゃべれたな、』

頷いて気づいた。私また話せるようになってきたけど、

竜生の目にも、檜山くんの目にもいっぱい涙が滲んでる。

檜山くんに渡さなきゃ、亡くなった檜山くんの彼女の想いが伝わらない。

檜山くんの彼女が私を守ってくれた。

檜山くんに絶対そう伝えるって決めた。あの時、かっこよかったんだって。

あの事件のことゆっくり話せるようになった時に。

30分程すると、竜生が帰ってきた

ちゃんと竜生の手にはあの封筒が握られてる

『りゅ、せい、それ檜山くんに、、渡して』

『檜山くん、、彼女さんから、、何かあった時にって、、頼まれてた』

檜山くんがぎゅっと封筒を握りしめた。

ベットのそばの椅子に座り、封筒の中身を読み始めた。

竜生は何が書いてあるかも知らないから、ソワソワソワソワするから軽く腕を引いて私のベットに座らせた。

あの日の数日前、8人の彼女でみんなで5年後の彼氏へ手紙を書こうってなって書いたんだ。

自分で持ってると恥ずかしいから

みんなで交換して5年後渡し合おうねって話してたんだ。

まさかその手紙が、檜山くん、湧くんにとっては最後の手紙になるなんて

思いもしなかった。

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