#75 ページ39
景吾さんは、たくさんのものをくれる
優しい瞳
心安らぐ声と導いてくれる言葉
温かい心と体で
包みこんでくれる
出会って間もないけど、景吾さんの言動すべてで大事にされてるのがわかる
僕なんかを大切にしてくれるのは、少し申し訳ない気持ちもあるけど
それでも、僕だってそれをかえしたい
だから
今度は僕が腕を伸ばして、1歩前に進む
自分でこう思うのは癪だけど
この小さな体をめいいっぱい広げて、景吾さんを抱きしめてみる
残念なことに、背中まで腕は伸ばせなかったから
ブレザーの腕の部分を掴んで、身体を密着させる
なんかこれ、怖いというより
...すっごい恥ずかしい
胸が破裂しそうなほど痛くて、苦しいけど離れたくない
心臓の音もうるさくて
...あれ、これって
跡「A、大丈夫か？」
あ「...景吾さんも、ドキドキしてる」
僕の耳の高さが景吾さんの胸の高さと重なっていて、くっつけるともっと鮮明に聞こえる
跡「こら、聞くな」
顔を押しのけられて遮られる
あ「いいじゃないですか、ケチ」
跡「ケ...っ！？ゴホン、それより大丈夫なのか？
額に汗がにじんでる...」
指が髪を掻き分けておでこが冷たい空気に曝される
あ「…大丈夫だから、もうちょっとこのままで」
額を撫でる指はそのままにして景吾さんを見上げる
目があって恥ずかしくなったけど、肯定するみたいに笑ってくれて
思わず顔を伏せて額を胸に押し付ける
袖を握っていた腕は緩めて
腕の下を通して背中に回しぎゅっと服を握り直す
跡「Aに会いたくて連れてきたが、Aに触れてもらえるなんて思ってなかったから
すげえ嬉しい」
景吾さんの腕が動いて僕の背中に向かう
手が背中に触れた途端ビクッと体が震えてまた景吾さんの動きが止まる
あ「あ…えっと、体を触れられるのはまだ、ちょっと…」
跡「生殺しかよ…」
景吾さんは大きくため息を吐いて文字通り、だけどカッコよく片手で頭を抱えていた
あ「ごめーー」
跡「とりあえず座るか。俺はAが触れてくれてるだけで十分嬉しいぞ」
あ「はい…」
やっと心臓の高鳴りが少し落ち着いて慣れてきた頃に体を離す
景吾さんが先にソファに座って、僕もその隣に座った
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 39人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
レイン(プロフ) - 和月さん» 直ってましたね！どういたしまして！更新楽しみにしてます♪ (2019年3月20日 6時) (
レス) id: 3196a4c901 (このIDを非表示/違反報告)
和月(プロフ) - レインさん» おはようございます〜指定箇所直しておきました〜さっきも直した記憶があるんですけど、2回も間違えてたんですね...ありがとうございます (2019年3月20日 6時) (レス) id: d7e13252b6 (このIDを非表示/違反報告)
レイン(プロフ) - 最近の話っ、廊下が老化になってます！更新頑張ってください！ (2019年3月20日 6時) (レス) id: 3196a4c901 (このIDを非表示/違反報告)
遊星(プロフ) - 和月さん» はい。分かりました。更新頑張って下さい。 (2019年3月13日 9時) (レス) id: cc3dcebb37 (このIDを非表示/違反報告)
和月(プロフ) - 遊星さん» コメありがとうございます〜〜ソシャゲのイベが終わったのでぼちぼち更新してこうと思います〜〜！ (2019年3月13日 7時) (レス) id: a3cfaed920 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：kai | 作成日時：2015年10月31日 22時
