Daffodil【番外編】 (ページ45)

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ウィリアム兄さんとシャーロック・ホームズが建設中のタワーブリッジからテムズ川に落下して

そして…

アルバート兄様とAの焼死体がモリアーティ邸から発見されて3ヶ月がたった

マイクロフト「よく来てくれたね、ルイス

ようこそディオゲネス・クラブへ」

ルイス「はい…」

マイクロフト「まずは礼を言わせて欲しい
君達が英国の為に命をかけてくれた事…

心より感謝する

君達のプランが完遂されて長年変わることのなかった
この国の支配層に徐々にではあるが変化が見えつつある

偏に君達が家族と市民という階級の呪縛を消し去ってくれたからに他ならない

全ては君達の尽力の結果だ

…ただしその代償としてモリアーティ家は我がホームズ家と同じく英国に対し永代その罪と罰を背負う一族となった」

ルイス「…はい
ですから遺された僕は…その罪の償いの為に

こうして生きている…」

マイクロフト「…償い…か…

すまない…まだ現実を受け入れられないんだ
アルバートとAは…もっと他に方法は無かったのか…あの2人まで…

まさか…あんな…毒を自ら服用して屋敷に火を放つとは…」

ルイス「あの2人はウィリアム兄さんに1人罪を着せるのを許せなかったんだと思います

兄さんが最後の事件の計画を説明した時
アルバート兄様とAはウィリアム兄さんの名誉を回復させる為に2人で死を選ぶ事を決めていたのかもしれない…

…僕には何も言ってくれなかったですが…」

マイクロフト「ルイス…」

ルイス「結局、僕は…あの2人にとって家族でも何でもなかったのかもしれない

家族だと思っていたのは僕だけだったのかもしれない…」
ルイスは膝の上で拳をｷﾞｭｯと握る

マイクロフト「責任の取り方には多様な方法があるだろうが…

2人で死を選ぶとは…
他にもっと方法もあっただろうに…

本当にあの2人は…っ

…すまない…
前置きが長くなってしまった

本題に入ろう

皆己の罪と向き合いながら自分の成すべき事を成している

…しかしルイス
今一度君の意思を問うておきたい

君がそれを担う必要はないんだぞ」

ルイス「長官、先にもお伝えした通りです

僕の決意に変わりはありません

僕はウィリアム兄さんとアルバート兄様、Aが残してくれた
この美しい世界を綺麗なまま維持し続けないといけない

それが僕の使命です」

マイクロフト「了承した

ルイス・ジェームズ・モリアーティ
君が新たな"M"だ」