Daffodil【番外編】 (ページ42)

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ロンドンモリアーティ邸

机の上にはウィスキーとワインが置いてあり、そこに誰が居るのかを物語っている

ﾁﾁﾁﾁ…

モランは手に持つ懐中時計を見つめる

モラン「Aはどうした？ここにいないようだが…」

アルバートは窓の外を見つめたまま答える

アルバート「Aはいま私の指示で単独で動いている

心配せずとも、じきに戻ってくるだろう」

モラン「…そうか

…アルバート

最後に一つお前に聞いておきたい」

アルバート「…何かな大佐」

モラン「お前達は…これからどうするつもりだ？

…俺は過去にウィリアムのおかげで救われた

だから俺の命が欲しいとあいつが望めば喜んで差し出す
そうでなくとも最後には俺達の犯してきた罪をあいつと共に死んで償うつもりでいた

それはこの"ファミリー"誰しもがそうだ

ーーだがここに来ての計画の変更…

あいつはゴルゴダの丘を
十字架を担ぎ登った奴と同じ様に

俺たちの分の罪まで全て背負って
独り死ぬと言っている

…俺達に"生きろ"と言っている

お前とAはこのまま生き続けて何をする？」

アルバート「ーーー私は…ウィリアムをこのまま英国の大犯罪人で終わらせるような事はさせない」

アルバートはウィリアムがよく座っていた椅子を横目で見つめる

アルバート「全ての始まりは私の依頼だ
元凶は私にある

その責任を私が身をもって償うのは当然だろう？大佐」
アルバートは自傷気味に微笑む

モラン「…お前っ…

Aはどうするんだ？！」

アルバート「大佐…前も言っただろう？
私達は生も死も常に一緒だ…

どちらかは、なんて事はありえない
お互いが同じ結末である事を望んでいるのだから…」

モラン「！…それじゃーお前ら…っ」

ｺﾝｺﾝｺﾝ

A「アルバート戻ったわ」

アルバート「ご苦労様…入っていいよ」

Aが扉を開けて部屋に入ってくる

A「モランもここにいたのね」ﾆｺ

モラン「っ…あぁ」

A「なぁに？2人で内緒話？ﾌﾌﾌ」ﾆｺ

アルバート「Aおいで」
アルバートは優しげな笑顔でA を自分のもとに呼ぶ

A「うんっ」

ﾀﾀﾀｯ
Aはアルバートのところまで走りギュッと抱きつく

アルバート「おかえり」
アルバートもA を抱きしめ返しキスを落とす