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アルバート「あそこの持ち主は資金繰りが厳しいようだと聞いていたし…もう隠居してロンドンを離れたいとも話していたからね
時期売りに出されると思っていた」

ウィリアム「以前からあの屋敷に目をつけていたみたいですが
何か特別な理由が?」

アルバート「あの屋敷はロンドンの中心部に位置するし
何よりあの屋敷には広めの地下室があるんだ
今後の事を考えると我々には打って付けだと思ってね」

ウィリアム「地下室ですか…」

アルバート「以前父と一緒に招待された時にね
そこの主人に内緒だと連れて行って貰ったんだよ

隠しているということは大人には見せられない違法の物で子供なら自慢してもいいかと思ったんだろう」

ウィリアム「そうだったんですね
たしかに地下に大きい部屋があるのは珍しい…
これからの作戦に活用していけますね」ニコ

アルバート「あぁ」ニコ

ウィリアム「A…やっと兄さんと一緒に住めるんだから喜んだんじゃないですか?」ニコ

アルバート「…いや…まだ… Aには何も言ってないんだ」
アルバートはバツが悪そうに目を逸らす

ウィリアム「え…そうなんですか?」

アルバート「…実は陸軍に入隊することも話してない…」

ウィリアム「!…そうなんですか?てっきり手紙か何かで相談していたものだと思っていました


…アルバート兄さん
僕でよければ聞きますよ
人に話した方が考えが整理できることもありますから」ニコ


アルバート「ウィリアム…そうだな…

…少しだけ考えていたんだ



私はAを本当に愛している

Aには幸せになって欲しい

ずっと笑っていて欲しい



でも…
このまま私といて…Aは幸せになれるんだろうか


私と結婚してモリアーティ伯爵の妻として社交会に出ることになれば
作戦中どうしても標的にされやすくなる
私の弱点そのものだからな

それに我々のゆく道の最後は破滅だ
この道をゆくからには我々に幸せな結末など待っていない
一緒にその道を進むとなればAにも幸せな結末など待っていない…

今ならまだ間に合うんじゃないかと思っていたんだ

今ならまだ…普通の人生を歩ませられるんじゃないかと…


Aが大切なんだ…本当に…

Aが幸せになってくれれば

僕は…




(本当は僕の隣にいて欲しい

僕の事だけを見てて欲しい

僕にあの笑顔を向けていて欲しい…




でも…一緒にいれば最後はAも死ぬことになる

それはAの幸せとは言えない…

だから…)」

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作者名:Alice | 作成日時:2020年12月21日 8時

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