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ｶﾁｬ
ｷﾞｨｰ
ｱﾙﾊﾞｰﾄ「…ｳｨﾘｱﾑ…？
…まさか！
なぜ、ここに…？！」
ｱﾙﾊﾞｰﾄはそこに居るはずのないｳｨﾘｱﾑに驚き立ち上がる
ｱﾙﾊﾞｰﾄ「お前が…
…お前が生きる選択をしてくれた
それは何よりも嬉しい…
だが、お前にとって生きる事は苦しみ以外の何物でもないはずだ…
…私はお前に辛い思いをさせてしまった…
お前を巻き込んでしまった…っ
あの時私がお前の手を汚さなければ
今に続くお前の苦悩は無かったのだ
お前の苦しみの原因はこの私…
死が唯一の救いとなるまでに
お前を追い詰めたのは私の弱さが原因だ…
私1人でやるべきだった
背負うべき罪だった
全ての責はこの私にある…
すまなかったｳｨﾘｱﾑ…
…すまなかった…っ」
ｳｨﾘｱﾑがｱﾙﾊﾞｰﾄに歩みを寄せる
ｳｨﾘｱﾑ「兄さん…
僕が苦しんでいたのは
決して兄さんやAのせいではありませんよ
さっきAにも同じことを言われました
兄さん達が自分を責める必要なんて何一つないんです
2人は僕を巻き込んだと仰いましたが
全て僕が自ら望んでやった事です
…兄さん達と出会うずっと前から僕は計画を胸に秘めていて
たとえ兄さんからの依頼が無くとも
いずれ実行するつもりでした
なのに兄さんは誓ってくれた
これから犯そうとしている全ての罪を共に背負ってくれると
だからあの晩、兄さんの犯す罪を僕も一緒に背負いたかった
一歩を共に歩み出したかった」
ｳｨﾘｱﾑはｱﾙﾊﾞｰﾄの手を取り包み込む
ｳｨﾘｱﾑ「僕はずっとそんな兄さんに少しでも応えたかった
それだけなんです…
…むしろ
僕の弱さが今の今まで兄さんとAを苦しめてしまった
あの頃の僕は悩み苦しむ姿を2人にだけは見せてしまっていましたね
どんなに辛くとも平静を装っていれば良かったのに
その事が兄さん達に罪悪感を抱かせてしまうであろう事は分かっていたのに
…僕は…
兄さんとAの優しさに甘えてしまっていたんです
そんな僕を"お前は1人じゃない、私が共にいる"と兄さんはいつも勇気づけてくれましたね
"私の愛する弟"とAはいつも優しい笑顔で抱きしめて囁いてくれた
兄さん達のその優しさに僕がどれ程救われたか…」
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作者名：Alice | 作成日時：2023年2月8日 16時
