2人の実力 ページ32
クラス全員の戦いが終わり、最後の私たち。
ヴィラン役は轟焦凍と八百万百。
私が嫌いなトップツーである。
過去の自分を哀れみ、他人を恨むことしかしない、悲劇の主人公と、
私が大嫌いな《偽善者》を掲げる女。
どちらも、大嫌いである。
優真｢最悪……。｣
因みに優真は特にこの2人のことが嫌いらしい。
分からないこともないけどね。
私も嫌いだから。
建物に移動して、スタートの合図。
その合図と共に、私はスーパーボールを10数個、建物内に投げ入れる。
糸成によって改良が施されたそのボールは
一定の大きさで跳ね続ける。
これで足音をカモフラージュする。
今回は相手を殺すことが目的ではない。
暗殺よりも簡単な事だ。
私は対先生用ナイフ、優真は対先生用BB弾拳銃を構える。
轟は先刻と同じく、建物全体を凍らせ始める。
超体育着と共に、この靴を作ってもらっていてよかった。
ある程度の攻撃に全く影響しないシューズ。
烏間先生のツテを使って、作ってもらった。
直ぐに氷から抜け出し、全力ダッシュで
攻撃が広がり始めたと思われる階に向かう。
八百万は優真が仕留める予定だ。
やり方は女子が相手だろうが関係ない。
あいつはキスひとつでビッチ先生をトロトロにした人間だ。
私たちの少し前から、緩すぎる殺気が飛んでくる。
それを避けるのは私たちには、いともたやすいことだった。
私ち殺気をぶつけるなら、ナギくんでも連れてこい。
優真が加速して、安全バーを外す。BB弾でも痛いぞ。
あろうことか、撃ってくる弾にBB弾を当てて、軌道を変える。
優真は少し高めに跳び、八百万との距離を一気に縮める。
八百万の首を掴み、壁に素早く押し付ける。
カハッ、という乾いた音がして、私はコンクリートの陰から出る。
心の底から楽しそうに八百万の首を絞める優真。
この笑顔が、このやり方が、演技なのだから、恐ろしいものだ。
肩を叩くといつもの表情に戻り、八百万を静かに床に置く。
｢大丈夫？｣
八百万｢は、い……。｣
優真｢悪い、流石にやりすぎたな。｣
優真は自らフォローするように、頭を撫でて、八百万を落ち着かせる。
……後は、悲劇の主人公だけだな。
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mimi(プロフ) - 菊理さん» ありがとうございます！亀更新ですが、応援してやってください！！ (2020年6月17日 0時) (
レス) id: 2c599fbfeb (このIDを非表示/違反報告)
菊理 - とっても面白いです！更新頑張ってください！応援してます!! (2020年6月16日 18時) (レス) id: c405051fd2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mimi | 作成日時：2020年5月14日 21時
