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「なんかさ、せっかくの夏休みだし楽しいイベントもほしいよな〜。俺たち高校最後だよ？」
「1日くらい気晴らしに遊びに行くのはいいかもね」
なんやかんやと真面目に問題集と向かい合って、一段落と顔を上げたときだった。スンチョル先輩たちが顔を合わせて、クルクルとシャーペンを回しながら唇をとがらせる。
「夏だし、海とか？」
「海か〜遠いしな〜」
「そんなん言ったらどこも行けないだろ。じゃー、遊園地？べたに」
スンチョル先輩がポチポチ携帯をいじりながら、何か画像をジョンハンに見せる。先輩たちの間で進んでいるその会話に入っていって良いものか分からず、一旦聞き流して問題集に意識を戻す。
「どっちがい？」
けれどその質問に誰も答えないので、思わず顔を上げると、みんなの視線の先にいるのは私だった。
「……え？」
「だから、海と遊園地どっちがいい？って」
「……えーっと…それ、私が決めていいんです、か？」
「は？みんなで行くんだから当たり前じゃん」
ぱちりと目が合ったジョンハンが、何言ってんのとでも言うように首を傾げる。促すように顎を持ち上げるので、その仕草に急かされるように私は遊園地と返事をした。
海は遠いし、なんて、さっきの気だるそうな彼の声が影響したなんて、そんなことは無いけど。
「遊園地かぁ〜何日がいいかな」
「うーん、来週なら木、土以外。バイトあるから」
「平日のが空いてんじゃない？」
「いや今夏休みだし関係ないでしょ」
「じゃあ来週の金曜は？」
トントン拍子に決まっていく会話を流し聞きながら、私はとりあえず、子気味よく首だけ降っていく。
一応スケジュールアプリを確認したけど、金曜の予定はもぬけの殻。
「私も大丈夫です、」と言うと、ジョンハンは「じゃあ決まり」と歯を見せてにっこり笑った。
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作者名：。 | 作成日時：2023年1月24日 23時
