親友だから (ページ18)

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目黒side

暫く無言が続く

俺から行動してるのもあって

俺から何か話すべきなんだろうけど

頭が真っ白で何一つ出てこない

さっき2人を引き離して本当に良かったんだろうか

俺はAの一大事を奪ってしまったんではないか

そう不安になる

ぽつと明かりが見えて

自販機まで来たことがわかる

目の前まで来てピタッと止まると

Aが止まりきれずに俺にぶつかる

「、った、ごめん」

ああ、いつだかの新学期みたいだなと

愛おしくなって

思わず笑い声が出る

『ごめん、大丈夫？』

とあの時みたいに返すけど、

Aはさっぱり気付いていないみたいで

なんだよ調子狂うな、だって

こいつ、俺との出会いぐらい覚えとけ

と頬をつねる

『んで、何飲むの？』

少し迷って

ぶどうがいいかなあと呟くAに

さっと買ってやって渡すと

「ありがとう、これお金」

と細い腕で差し出してくる

やるよ、と言い返すと

なんか企んでるでしょ、

とでも言いたげな

じとっとした目で俺を見つめる

目『別に後からハーゲンダッツ

　奢ってもらおうなんて

　思ってないですよ？』

そう冷静に返すと

Aはふっと笑って

さっきまでの緊張した空気が一気に飛んでいく

そんな時も束の間、

Aはそそくさとコテージへ戻ろうとするから

俺は思わず目の前にあるベンチに腰掛ける

置いてかれるかと思った

Aは歩き出していた脚を

こちらへ向けて

俺の隣に腰掛ける

なんだよ、

やけに素直だな、

じゃあ俺も、

そう思って

まだ話したいというちっぽけな欲望に

従うことにした