其ノ四 ページ6
物事はどうしてこんなにも突然におとずれるのだろうか。
庄左ヱ門と彦四郎にそんな話をした数日後の事だった。
小松田さんが何かを叫びながら五年長屋に走ってきた。ちょうど八左ヱ門の部屋に集まっていた五人は何だ何だと部屋から顔を出した。
そんな五人を見て、小松田さんは『いたー!』と言うと突進してくる勢いで近づいてきた。
そして放ったのは衝撃の言葉。
小「あっ!!み、皆さん!!帰ってきました!!」
兵「誰がですか?」
雷「六年生ですか?」
六年生が帰ってきただけでこんなに急いで自分たちに報告を?
と、五年全員が思った時だった。
小「もうっ!違いますよぉ!!錦くんです!!錦一京くんが帰ってきたんです!!!正門にいるので早く行ってあげてください!!!僕は学園長先生に報告してきますぅ〜!!!!!」
バタバタと走り抜ける小松田さんの言葉が頭に入ってこない。だけど、五人の体は反射的に部屋から駆け出していた。
速く、速く、正門まで。
言いたいことが沢山あるんだ。聞きたいことが沢山あるんだ。
八「A?!」
雷「A!!」
勘「A!!!」
兵「ホントにAだ.....」
三「お前今までどこにいたんだ.....!!」
『みんなぁ〜ただいま!』
笠を深くかぶっていたが、ぽやぽやとした物言いは確かに一京だった。
五人の突撃を受け止めた一京はよしよしと泣きじゃくる五年生達を撫で、声をかけた。
『ふふ、へーすけとさぶまで泣くの珍しいね。らいぞとはちとかんはよく泣いてたけどさぁ。』
くふくふ笑いながらそう言う一京。そして騒ぎは大きくなり正門には人だかりができ始めた。
一京を知る者は泣いて帰還を喜び、知らない者はあの上級生達が大泣きしていると目を見開いて驚いていた。
結局その後は先生達が来て事情を聞く為に引き剥がすまで五人は一京にベッタリ張り付いていた。
もう離さない、どこにも行かせない。
一京を、一人にしないと。
そんな五年生達と、当時の事を知る六年生が学園長の庵に集められた。そして、当時のことを知る者達は一京の口から衝撃の内容を知ることになった。
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黒糖さんでーす - 良かったです (2023年3月1日 10時) (レス) @page13 id: b07dd8e215 (このIDを非表示/違反報告)
スイちゃんですよ〜☆ - 一色識さんのこと、呼び捨てにしてしもうた。、、、すいやせん、 (2023年1月6日 1時) (レス) id: 888b3d648c (このIDを非表示/違反報告)
スイちゃんですよ〜☆ - 一色識の作品は良いものばかりです。他の作品があったらぜひ、読ませて頂こうと思いやす(;´д`) (2023年1月6日 1時) (レス) id: 888b3d648c (このIDを非表示/違反報告)
スイちゃんですよ〜☆ - 良い物語だったです。終わりまでみやした、うん。面白し、感動もあり良かったです!!!!コメント失礼しました (2023年1月6日 1時) (レス) @page13 id: 888b3d648c (このIDを非表示/違反報告)
Topaz トパーズ - 素敵です!いつかは分からないけど、最新待ってます!頑張ってください! (2021年7月21日 6時) (レス) id: 09b28cb614 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:一色識 | 作成日時:2021年4月18日 21時