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けれどこれらの性格はすべて彼女によって意図的に組み上げられたもので、本来それは今よりも幼かった彼女が家族、特に兄の気を引くためのものだった。友人からアドバイスをされて、とにかくその通り悪い子になれば気を引けると思った。しかしそれは上手くいかず、成長するにつれて仲が拗れ、ついでに性格も捻れに捻れて自分でも戻せなくなり、今に至る。そこには今更どう変わったってどうせ相手にもされない、という自己肯定感の低さから来る諦念がある。まあ、最近はこちらも素になりつつあるようだが……。
素直になれない、変われない。勇気が出ない、その1歩を踏み出せない。そんな臆病な女の子。
中途半端な口の悪さは、レティシアが育ちの良く淑女として最低限教養が備わった人間であるから。
人を遠ざけたがっているのは本当で、それはレティシアの本質が善であるから。傷つきたくないという保身と、傷つけたくないという葛藤ゆえ。
本来の彼女は心優しく穏やか────であるはずだが、自身でも性格の変化を自覚しているため、今でもそうあれているのかはわからない。少なくとも、かつての彼女はそうであった。しかし根本は変わってはいないはずだ。レティシア自身、いつかは昔のような人間に戻れれば……とは思っているのだが、やっぱり恥が勝つようで。毒が抜けきるのも当分先のことだろう。
【役職】魔法省 異界魔法族取締科 職員
【使い魔】
黒い毛のフェレット。レティシアは「あたしの小さな王子様」などと呼んでいるが、正式な名前は誰にも教えていないので不明。そもそもつけてあるのかすらわからない。親交のある人物らからは非公式名称として「プリンス」と呼ばれているようだ。こちらでも反応してくれる。寛容かつ賢い。
寒い季節になると、襟巻のようにレティシアの首回りに巻きついていることが多い。暖かそう。実際結構暖かいと思う。本人(本フェレット?)が嫌がるので貸し出しは不可。無理矢理は良くないね。けれど好物の鳥肉を捧げればマフラーになってやらなくもない、らしい。
現状レティシアが唯一自分を取り繕わずにいられる相手だそうで、確かに接している時は表情や言葉がやや和らいでいるように見える。
【サンプルボイス】
一人称…あたし
二人称…あんた
「あたしはレティシア。レティシア・ローズベリー。……なあに、あんたに晒す個人情報はもうないのよ、さっさとあっちに行きやがれって話かしら。……しつこいわね、あんたに構ってる暇はないって言ってんのよ」
.→←【魔法省 異界魔法族取締科 職員】レティシア・ローズベリー
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作者名:疫病 | 作成日時:2022年5月5日 18時