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買い物を終えた三人と連れ立って向かったのは近所の公園だ。三人に連れて行かれた、が正しい気がするが。
あずまやの椅子に座り、机に買ってきたパンを並べる。さすが男の人はよく食べる。私の倍はあるおいしそうなパンの数々を見て、次行った時にはこれらも買おうと心に決めた。
無言でパンに食いつく冨岡さんはとにかく食べるのが下手だ。隣の煉獄さんはうまい！うまい！と吸い込むようにパンを平らげていく。
「さっき竈門から聞いたかもしれないが俺たちはキメツ学園の教師なんだ」
「はい、炭治郎くんに聞きました。宇髄さんの担当の教科は何ですか？」
連れてこられたとは言え、来てしまったものは仕方ない。楽しく会話したほうがパンも美味しいに決まっていると思い、宇髄さんと話しながら買ってきたパンを食べているが、目の前の二人が気になって仕方がない。
「お前らなんか話せよ、わりぃなAさん。連れてきといてこいつらこんなんで」
「いつもこんな感じなんですか」
「だいたいこんな感じだな」
外見とは裏腹に一番の常識人であった宇髄さんは困ったように笑う。
「まあ面白いヤツらだよ、Aさんも仲良くしてやって。特に冨岡な」
「お隣さんですしね」
しばらくしてものすごい数のパンを食べ終わった煉獄さんも会話に加わり、彼らのことや私のことを話した。今日は三人とも午前中に部活があったらしい。
少し遅れて食べ終わった冨岡さんはそんなに口数は多くなかったし、ズレた答えが返ってくることばかりだったが、以前駅まで一緒に歩いた時よりも会話が続いたことに感動してしまった。
誘われてここに連れてこられた時はどうしようかと思ったが、彼らと話すことは案外楽しくて気がつけばもう夕方になっていた。公園でこんなに長い時間おしゃべりをしたのなんて何年ぶりだろう。
「俺たちは宅飲みもよくするんだ。冨岡の部屋で飲む時は声かけるからAさんも来てくれ！」
煉獄さんの誘いに頷いてから、勝手に冨岡さんの部屋に行くことを了承してしまったことに気付き、彼の方を見れば、「好きなつまみはなんだ」とたずねられた。･･･つまみの話ししてましたっけ。
「それぞれの好きなつまみを用意するから、Aさんの好きなものも用意すればいい」
つまり宅飲みをするときには来ていい、ということなのだろう。どこかズレてはいるが、嫌がられなかったことにほっとした。
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作者名：おちゃっぱ | 作成日時：2020年1月22日 21時
