新 5人の兄 パート2

真夜中の訪問 健ちゃんver. ページ4

「寒い…」




最近まで寝苦しい夜が続いていたのに、気づけば毛布に包まって眠るようになっていた。





寒さで目が覚め時計を見れば、時刻は深夜2時。





２時ってなんだか怖い




部屋から出ると、月明かりに照らされた廊下が余計に不気味だ





すぐ隣の健ちゃんの部屋に入る





「健ちゃん…」





健「…………zzz」





声をかけても起きる気配はないので、もう勝手に布団に潜り込む




「温かーい」





横向いて寝てる健ちゃんの背中に自分の背中をくっつけると、寝ぼけてる健ちゃんが後ろから抱きついてきた





「重っ」




片腕が乗ってるだけなのに何なのこの重さは




でもその重さがなんかちょうど良くてそのまま就寝




明け方になり目を覚ますと、いつの間に来たのか、Aが横に眠っていた




寝顔が可愛いなぁ、なんて思い見ていたら





「岩ちゃん…」





って、寝言言いながら抱きついてきた





健「…岩ちゃん。岩ちゃんには抱きついたりしたらあかんで」





なんて注意しつつ、俺もAを抱きしめて、もう少し眠りについた。





「岩ちゃん、苦しいよ…」





体への重さと寝苦しさで起き、抱きしめられてる胸から顔を上げると、目の前には健ちゃん。





「あぁ、健ちゃんの部屋きたの忘れてた。てか重い、ほんと」





健ちゃんの腕の中から出ようとするも、がっちり抱きしめられてて抜け出せない






「寝てるのに何でこんなに強く抱きしめられるわけっ」






ちょっとイラっとしてきた






「健ちゃんっ！」




健「…ん」





「健ちゃんってば！起きて、重い、邪魔っ」





健「ん〜、おはよ」






「もう、早く離してよ」






健「あー、ごめん。でもAから抱きついてきたんやで？岩ちゃん言うて」





「岩ちゃんと健ちゃんじゃ違いすぎる。今日は岩ちゃんに抱きしめてもらいに行こう♪」





そう言って布団から出る






健「岩ちゃんに抱き締めてもらわんでエエ！健ちゃんがいくらでも抱き締めたるって、ほら」






Aに向かって両手を広げて見せると






「健ちゃんにも早くそういう人出来るといいね」





って言って部屋を出て行った






健「何やろうこの虚しさは」






朝から悲しい気持ちになる健ちゃんでした。





end...

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