１３ ページ37
…
「でも、諦めるから。頑張って忘れるから。……だから、俺のこと、嫌いにならないで……」
は？
嫌いになるわけない。それどころか――
……え、それどころか、なに？
自分で考えていたことのその先が、理解できん。
その先に考えを巡らせていると、海人の顔がどんどん暗くなっていく。
……そうや、今俺がすべきなのは。
「海人のこと嫌いなんて思ってない」
その誤解だけは解かないと。
震える海人にちゃんと通じるように、緊張に耐えながらその目を見つめる。
「ほんとに？」
「ほんまに」
「……そっか。ありがと！」
一瞬間があるも、海人はそう言って頷いた。
「俺の気持ちに応えなくていいからさ。……今まで通りに接してもいい？」
「……あ、当たり前、やん！」
応えなくていい。今まで通り。
その言葉になんとなくモヤッとしたなにかを感じて、反応がちょっと遅れた。
今まで通りでいられることに越したことなんてないやろ。
なぜだか自分にそう言い聞かせながら、海人と2人で楽屋に戻った。
ドアを開けると、4人の視線が一気に俺らに注がれる。
「……廉、ちょっと」
海人をチラチラ見ながら紫耀が手招きしてきた。
「なに？」
「海人、なんか様子おかしくなかった？」
小声でつぶやく紫耀。心配しとるんやな。
「いや？ 普通やったで？」
「そ、っか。ならいいけど」
そう言って静かに俺から離れていく。
でもごめん。いくら紫耀でも、ほんまのことはまだ教えられへん。
…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 418人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ひまっくす(プロフ) - ななみさん» ありがとうございます〜！頑張ります！ (2019年11月25日 21時) (
レス) id: 7ba156e249 (このIDを非表示/違反報告)
ななみ(プロフ) - 海ちゃんがんばって！廉君と両思いになれるように、ウチも応対してます！いいところでの「続く」…続きが気になり過ぎます！更新楽しみにお待ちしております。 (2019年11月24日 22時) (レス) id: 6b92244ddf (このIDを非表示/違反報告)
ひまっくす(プロフ) - たべっこさん» 妄想にお付き合い頂きありがとうございます〜！ご期待に応えられるように頑張ります。 (2019年11月1日 19時) (レス) id: 7ba156e249 (このIDを非表示/違反報告)
たべっこ(プロフ) - 短編集パート2ありがとうございます！色々なお話が読めるの楽しみにしてます。 (2019年11月1日 8時) (レス) id: 4035f86721 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ひまっくす | 作成日時：2019年10月31日 22時
