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1、白衣の麗人 ページ1

「太宰!!例の異能力者の情報が入ったぞ!!」

太陽が真上に登ったばかりの頃。
両手に溢れんばかりの書類を持った国木田が、派手な音をたてて喫茶うずまきに現れた。

しかしそこに太宰の姿はなく、驚いた敦が珈琲を吹き出す所だった。国木田は顔を顰め、鏡花は少し眉を動かした。

「敦、きたない」

「どっ……ど、どうしたんですか国木田さん…!?」

「くそっ、太宰のやつ…!!この肝心な時に……!!!!」

顔色も悪く、取り乱す国木田に敦は違和感を感じる。
そういえば、さっきも足でドアを開けるなんて国木田さんらしくない…。

「まあまあ国木田さん、落ち着いて…。異能力者が分かった、ってどの話ですか?」

敦よりも幾分か厄介事に慣れている谷崎が国木田に問う。こればかりは、くぐり抜けてきた修羅場の数がものを言うのだと、敦は悟った。
国木田が1つ、大きなため息をついて書類を机に置く。積み上げられた紙の質量で、紙とは思えぬ鈍い音が響いた。

「…ここ最近、巷で噂の『万能薬』についてようやく掴めたのだ」

「!それって…!」

『万能薬』。
それは、近頃、夜の横浜の街を騒がせる都市伝説のようなものだった。

飲めば、異能力者のような怪力と永遠の若さを手に入れられるのという代物だ。
10年ほど前にあくまで"都市伝説"として語られていたのだが、どういう訳か、また語られはじめたのである。

探偵社は、明らかな異能絡みのこの謎を追っていた。

「あの花袋さんを唸らせた難事件が…」

「そうなのだ!!乱歩さんも与謝野女医も不在の今、太宰に働いて貰わねば首が回らん…!」

「ははは…、ボクもナオミも、今は違う事件を担当してますからねェ…」

偶然にも乱歩さんと与謝野女医の遠方出張が重なり、探偵社の頭脳の中心は完全に太宰だった。
しかし今は、その太宰も不在である。いつも暇そうにしてるのになあ、と谷崎は呑気に思考した。

国木田だけでなく、谷崎と敦の目の下にもくっきりと浮かび上がる隈が、仕事量の全てを物語っている。

「国木田さん、僕が太宰さんを探して、調査して帰ってきますよ。ちょうど抱えてた仕事も終わったので…」

「ああ、頼む」

そこで、大きなパフェを黙々と頬張っていた鏡花が群青の瞳を見開き、書類から顔を上げた。


「このひと、見たことがある」

白衣の麗人→



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白瀬(プロフ) - 皐月さん» ありがとうございます!不定期更新ですが、どうぞよろしくお願いします…! (2019年7月25日 23時) (レス) id: 00ae9e57de (このIDを非表示/違反報告)
皐月(プロフ) - はじめまして!続きを楽しみしています! (2019年7月25日 22時) (レス) id: 6d688681c6 (このIDを非表示/違反報告)
白瀬(プロフ) - まなむさん» 愛の告白ありがとうございます!その言葉でがんばれます。。 (2019年7月22日 23時) (レス) id: 00ae9e57de (このIDを非表示/違反報告)
まなむ(プロフ) - 初めまして!!あの!好きです!!楽しみにしてます^^ (2019年7月22日 22時) (レス) id: d6b2dcb6a1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白瀬 | 作成日時:2019年7月13日 23時

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