木兎さん系女子【赤葦京治】

別に、寂しくなんかない ページ20

ここから過去編に少し入ります。

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Aside



二年前、私は男女共にバレー強豪校の梟谷に入学した


二・三年の先輩全て合わせたら軽く50人は超えるほど部員数も多く、私たち一年生も多くの入部希望者がいた



私はこの時、この部員たちの中で埋もれたくない、レギュラーになりたい、


その一心でひたすら練習を積み重ね…





監督「……9番。一年、朝日奈A。」



A「は、はい!!」




春高予選前、スタメンを勝ち取った


泣きながらユニフォームを貰ったのを今でも覚えている







でも、それと同時に悲しいこともあった



当時の主将がセッターで、私と同じポジションで代わりにスタメンから外されたことだった





当時の監督は、最後の大会だから、とか、三年生だからと言ってメンバーを選ぶ監督ではなかった




私は、監督に選んで貰えたことに感謝しながらも、困惑した




主将の最後の大会に、私が出ても良いのか



でも、辞退するのも選んでくれた監督に対しても、主将に対しても失礼だと思った



だから私は、練習にさらに打ち込む選択をした







……今考えれば、それは間違いだったのかもしれない





春高全国行きを決め、全国大会三日前




主将がチームの主要メンバーと暴行事件を起こした




選手は骨折、主将は自宅謹慎





原因は、



レギュラーメンバーと、主将の言い争いからだったらしい


……私についての。




そして、私たちの全国行きは無くなった。






私はその日からバレーをするのが怖くなった


誰かのポジションを奪うのが怖くなった




私が周りを遮断しようと、一人でバレーを黙々と続けていくのと共に、



暴行事件で広まった事実無根な噂まで流れ、気味悪がったチームメイトは辞め、私は一人になった






別に寂しくなんかない



そう自分に言い聞かせて、涙が止まらなくて、精神がどうにかなってしまいそうだった時、







手を差し伸べてくれたのが、




木兎だった

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