誰かを救いたくないなら捨てろ ページ39
「こ、ころし、え?こおり」
宇井郡「......」
霧嶋董香「これが当時の新聞。みんな貴女が苦しまないように、これだけは思い出さないようにって、この新聞をひたすら隠し続けた。思い当たることならあるでしょ?」
ある。コンビニのとき、
真戸暁「新聞はアナログすぎる。やめておけ。」
みたいなのあったな。古い記事があるって思って、気になっただけなのに。今思えば普段から新聞を呼んでる暁ちゃんが、あんなことを言うのはおかしすぎた。
宇井郡「いい、忘れろ。」
霧嶋董香「彼女の......上司ですか?」
宇井郡「同じ階級だから、私はもう部下みたいなものかな......よく分からない。ただ、名前も分からない他人に記憶を掘り起こされるのは気に食わない。忘れていいよ、そんなことは。」
霧嶋董香「これぐらいは向き合わないとダメですよ。」
......殺して、食ってたんだ。
わたし
宇井郡「Aッ」
有馬貴将「ストップ。フォークは人に向けるものじゃないよ、A。机に置いて。」
「......あれ?」
有馬貴将「昔を知りたいなら、絶対に死なないって確信できる誰かを隣にいさせろって言ったと思うんだけど。」
「ああ、ああ......ごめん。忘れてた。」
2人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:琲世 | 作成日時:2022年12月4日 23時