. ページ32
＿＿＿＿＿＿あの子、特等捜査官になったらしいよ。
｢貴将ー！ここめっちゃ良さそうなお店じゃない！？｣
有馬貴将｢こら、静かにしなさい。｣
霧嶋董香｢いらっしゃいませー。｣
有馬貴将｢こんにちは。すみません、妻が騒がしくて。｣
四方蓮示｢......｣
霧嶋董香｢いえいえ、大丈夫ですよ。ご注文がお決まりでしたら、いつでも言ってくださいね。｣
ウタ｢(来た。)｣
二年前から、何度か見かけたことのある女性。最初は誰も連れず、びくびくした様子であんていくに来たのが印象的だった。それで白鳩であるというのが信じられなかったし、一回尾行したことはある。
......これでバレていたら、店長たちも知らない場所で殺してしまおうと。
｢綺麗な人ばかり、ですね。｣
霧嶋董香｢！｣
有馬貴将｢俺以外を選ぶってなに。｣
｢にぎゃーっ！？頬をつねるなーっ！！｣
結果はご覧の通り。彼女は私たちの正体に気付かず、ただ普通に店に来てくれただけのお客さんだった。普通の人だ。あの日殺さなくてよかったと、心底思う。
｢あれ？そういえば店員さん、昔あんていくって場所で働いてましたよね？｣
変なところで勘がいいのは、少し......無理かな。
霧嶋董香｢......｣
｢あそこ、私のお気に入りの場所だったんです。常連だったから覚えてくれてるかな？でも二年前に潰れちゃったんですよ。三等だった私は詳しくないんですけど、喰種が経営してるとかどうとかで......でも、潰れてほしくなかったな。まだ害もなかったんだし、普通に客としてあの店を楽しみたかった。｣
霧嶋董香｢喰われるかもしれないのに？｣
｢その時はその時かなって、当時は自分に言い聞かせました。だって私は、あの日が本当に好きだったんです。人間に優しく接してくれる喰種の店員さんたちが......とても輝いてるように見えた。｣
有馬貴将｢その言い方だと、まるでそこの店員さんが喰種って言ってるようだけど。｣
｢そうだよ？だからオススメなの。喰種さんもこんなにいい味の珈琲を提供してくれるんだよ、って話。｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：琲世 | 作成日時：2022年12月4日 23時
