記録日:未明 (ページ29)

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琲世も最近、過去の記憶に苦しむようになった。目をくり貫かれるような感覚に襲われていると。

｢有馬特等、その喰種を駆逐しないんですか。｣

有馬貴将｢......喰種化被害者だ。保護する。｣

｢その情報はどこから仕入れたので？｣

あの日か。眼帯だった君が、今の君を消し去り、元に戻ろうとしている。そうしたらどうなる？佐々木琲世は死に、大切な後輩がまた一人と消え去る。

......私も記憶が戻ったら、どうなるのだろう。彼らの前から消え、死ぬ日が来るのか。否、ヤブに殺してもらうというのが正しいのだろう。私は絶望し、大切な何かより死を選ぶ。

｢有馬特等。｣

有馬貴将｢琲世、本を持ってきたよ。｣

｢......では、私も失礼します。｣

昔から恋をしていました。もし叶わないのなら、従わせようと思うほどに。親の残虐性は、確かに私にも宿っていたのです。

記憶が欠如しようと、今の私からそれが取り除かれることはなく。

｢(今日も)｣

人の肉を少し喰らって、この高ぶりを抑えている。