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｢さぁて、タバコ......｣

ヤブ｢俺は救済を理由に、あの女を喰らうことにした。俺が生きるためじゃない、俺なりにあれを救う。｣

｢............｣

ヤブ｢俺が死んだ後に話せよ。生きてる間に情を持たれたら、喰いづらくなる。｣

なんの話にしろ、あれにも動機があるのは分かった。私のために私を喰らうというのもおかしな話だ。あれはどうせ、私が痛がるのを見たいだけなんだ。

有馬白狼｢A。｣

｢え、はっくん......｣

幻覚、幻聴。特等になる一歩手前で、私の体は限界を迎えようとしているらしい。バカにしてはよくやった方じゃないでしょうか？私にしてはよく生きた方じゃないでしょうか？

......人らしく死ねると察して、安堵した。

だって今の私は右目回りはすでに喰種の赫子のような何かで覆われ、まるで火傷したかのような、それ以上ぐらいの醜い傷があるもの。こんなのがあったら、普通に死ぬことは敵わないのではないかと思っていた。

｢(大丈夫......戦って死ぬんじゃなく、白いお部屋で死にましょう。それでいい。)｣

綺麗に死にたい。そんな私の姿を、大好きな人の記憶に刻むの。それを背負ってずっと生きてほしいの。

｢(私のために、たくさん苦しみながら、長く生きてほしい。)｣

有馬貴将｢あれ、起きてたんだ。｣

｢テレビ見る？｣

有馬貴将｢うん。タバコ臭いけど、隣いいかな。｣

｢貴方なら許してあげる。そういえば......貴将って童貞なの？｣