記録日:未明 (ページ11)

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夫婦記録ページ11

俺の名前は有馬貴将、今日から日記を書いてみる。毎日続けて、これが慣れることを願う。

今日はAとデートをする。何年もどうプロポーズするか悩んで、上手く丸め込んで、ようやく同居するまでに至った、俺の大切な人だ。誰よりも美しい女性だ。

｢あっ、足取れた。｣

足がないのは......心苦しいな。その場にいたというのに、久しく喰種を取り逃がしてしまった。命という思考が頭から消えたのも久しかった。

それだけ彼女の部位が欠損したことに怒りを抱いたのだろう、俺は。これも当然の感情と思考なら、安堵できる。俺はちゃんと彼女を愛していると理解できる。

有馬貴将｢(さて。外で待てと言われたが、どんな服で来るのか。)｣

｢お待たせー。ひーっ、やっぱり防寒コートじゃないと寒いねー！下手におしゃれしてたら死んでたぞぅ！？｣

有馬貴将｢......うん、似合ってる。俺がこの前あげたコートだよね。｣

｢脳死で褒めてなぁい？｣

日記でも惚気るようで悪いが、彼女からは微かにいい匂いがした。香水の匂いだ。ほのかに漂う程度のちょうどいい香りに、ちょっとボサボサではないかという髪も整えられ、俺がプレゼントした服も着てくれた。

有馬貴将｢(帰ったらとびっきり愛してやりたいと言えば、怒られるな。)｣

｢......帰ったら聞きたいことがあるんだけど、いい？｣

有馬貴将｢あ、ああ。｣