組長が恋を知る日 (ページ5)

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三組目ページ5

黒い車から降りて、重厚感のあるドアを開ける。

「ただいま～」

すると遠くから足音がドタドタと。

「おかえり！なーくん！」

来たのは青髪の_____ころちゃんだった。

「ただいまwそんな急がなくてもいいよw」

ころちゃんは可愛い見た目に反してとても口説きとナイフ技が上手い。

本当、見た目と中身は違うってつくづく思う。

「それで、ターゲットどうだった？殺れた？」

「あー……」

“自分の気持ちが大きくなって殺せなくなった”とは言えない。

「ちょっと今日人手多くて…殺すの難しかったかなぁ…」

すると驚いた顔をしてえ！？なーくんが！？と軽く叫ぶ。

逆にこっちが驚くよw

「…でもそのターゲット、報酬高いんだよね。」

「あぁ。逃しはしないから。安心して？」

ニコリと笑うと、そうだよね！と大きく頷く。

薄紫の襖を開け、中に入る。

「………はぁ。」

月が窓からチラチラ見える。

あの子、何かが違った。

なんだろうな。初めての高揚感。

(トントン)

「なーくん、ちょっといい？」

可愛らしい声がおずおずと聞こえる。

「ん、いいよ。莉犬君。」

スーっと襖が開く音が聞こえ、小柄な体が見える。

「あのさ、またかもしれないけど…お見合い、この人どう？」

「……お見合いか…」

正直、お見合いはもう懲り懲り。

色々組長だから後継ぎとかの関係で結婚するしかないんだけど…

…正直、結婚したくない。

「イヤ、だよね？」

「…んまぁねwアハハッ」

「とりあえず、見るだけ見たら？」

「そうする。もう遅いからおやすみ。」

「おやすみなーくん！」

そう言って黒い冊子を机に置く。

襖が閉まったのを確認して、黒い冊子に手を伸ばす。

開いて見えたのは、着物を着て、髪を上にあげて、いたずらそうに笑う女性。

……見覚えのある顔。

「…Aさん？」

ターゲットがなんで俺とお見合い？

開いた口が塞がらない。