海のように美しかった君へ【ワンピース】 (ページ45)

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万博会場はもうすぐ。たしか昼頃に王国に帰ってきて、すぐに出発したから......夜明けと共に着くのだろう。それまでは退屈なものだから、嫌でもかつての記憶が蘇る。

サンソン｢君を傷つけてすまなかった。今度は君を護るため、君の敵を倒す！指示をくれるか！？｣

フランスの処刑人の刃は、私の体を一度貫き、一本の木にぶら下げるようにして私を捕まえた。その後は私が愛する人ではないと気付いてくれて、共に戦ってくれた。

エルメロイⅡ世｢そうか......お前たちが無事でよかった。お前たちのような生徒を持てて、私は幸せだ。｣

ローマにいた先生は、珍しく笑顔だった。私たちを褒めに褒めまくって、カウレスたちは少し泣いてた気がする。私も帰還後に泣いた。

イアソン｢......お前みたいなブス、好きになるかよ。俺が愛してるのは......ただ一人......｣

聖杯で精神が少し狂っていた船長は、私を愛しているがゆえに殺そうとした。正気に戻った彼は私を手放し、遠回しに生きろと命じ、メディアの手によって......

ソロモン｢夏油が呼んでいる、からな。｣

げとう、すぐる。

私が初めて後輩に助けを求めた瞬間だった。あそこから私の体がおかしくなったのか。

藤虎｢緑牛さんはどっか行っちまったか...小鳥遊さん、着いたみてぇです。｣

小鳥遊｢......起こしてくれてありがとう。これ以上あの夢を見るのは、耐えられなかった。｣

アイツに有利な空間で、一方的に叩きのめされ、その空間の心臓となって、助けに来たカルデアを妨害する装置となっていた私の体は......もう終わっていた。いわく、彼らが私を助けたとき

人間の目をしてなかったと。そう言われた。

小鳥遊｢正しい治療でお前を救う。聖杯も必ず取り返すから、待っていてくれ。ゆっくりおやすみ。｣

しばらくは意識がぼやけていたが、その間でも覚えていたことはある。後輩たちが、職員が英霊たちが、友人が、カウレスが、私を支え続けてくれたこと。

料理も美味しかった。ゆっくり眠れた。初めて特訓しない日常を知った。初めてただの職員として活動できた。未来視では知ることのなかった、普通の生活が味わえて、私は満足だったんだ。

そう思えば、この夢も案外悪くないものかもしれない。