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お母様はもういません。最後に一人を選び、誰からも忘れ去られたお母様の物語は、絵本と共に燃やされてしまったから。誰よりも早くお母様を見つけ出した私は、燃やす価値もない存在として見逃されたのでした。
あの絵本は二度と戻らない。お母様がかつて語った小さな夢は、叶うことはない。
ルフィ｢夢？｣
侍の女｢ええ。戦いが落ち着いたら、私たちにとって大切な思い出を、子供立ちに喜んでもらえるような絵本として描きたいのです。｣
中島敦｢いいですね、それ！その時は僕も手伝います！英智さんも呼びます？｣
侍の女｢呼ばなくて結構。屋根裏から監視してるスタイルだから、もう聞こえてるでしょ。｣
中島敦｢あの人、いつの間にそんな変態に......Aさんに惚れた人ってみんなギャグ路線いってません？｣
侍の女｢悪化するとシリアスヤンデレだね。矢印の鬼覚えてる？彼も私のアキレス腱を切った記録があるんだよ。｣
少なくとも私たちにとっては、小さな平和と呼べる日常だったのです。それをお母様の姿を真似た者に燃やされ、二度と戻らないものとされた。
私一人だけが取り残された気持ちが分かりますか？どうせならあなたと一緒に、共に燃やされたかった。あの時人質にされず、そもそも戦場に向かわず、普通に暮らしていれば、あなたと共に死ねたのに。
ここにいる私は敗者なのですよ、スムージー様。
スムージー｢............｣
響子｢お母様に、会いたい。｣
スムージー｢親友として、何かしてやれることはないか？｣
響子｢傍にいてくれれば......それ以外は......｣
皆様は知らないでしょう。死体すら残らず、歴史も何もかも一瞬で消された女の気持ちなど。
響子｢母にとっては......世界そのものが友人だった。何度裏切られても、何度捨てられても、救いたいと思う愚か者でした。私はそんな人を愛していた。そのすべてを、意味の分からないものに奪われた。｣
スムージー｢なら取り返せばいい。響子、この島で待っていられるか？私たちが手がかりを探す。モンドール！彼女の言った本とやら、心当たりはあるか？｣
モンドール｢遠回しに身内を疑うな！！！いや......興味深い噂なら聞いたことがあるな。少し待て、新聞に載っていたはずだ。｣
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作者名：琲世 | 作成日時：2022年9月28日 12時
