とりっぷ38 ページ2
桜「じゃあ、どーぞ、分裂ちゃん。」
自分の分裂に会うって、もうどんな状況だよ。
シュールすぎるだろ。いや、カオス。
分裂のあなた「…よろしく〜。」
『…????』
いや暗い暗い!!
怖いよ!逆に!!!!
『あの、私こんなに暗くない…』
桜「ああ…お前の暗い部分だけを切り抜いた感じだからなあ。仕方…ない。」
分裂のあなた「…そんなことより、私の体、もう持たない。早く決めて?」
いきなり決断を迫られるとかきつい。
というより怖いよもう。
『だって…そんな…』
いじけたように、私が膨れっ面すると、もう1人の私が、少し笑った。
分裂のあなた「あのね、私…あなたは、みんなに愛されてるんだよ。元の世界で、リハビリしていたらさ、先輩とか後輩が、友達が、みんなで応援しに来てくれて…」
もう1人の私が目を細めて、とても幸せそうに語る。
分裂のあなた「…すごく温かった。お母さんと、お父さんの温もりみたいに。」
分裂のあなた「きっと、コナンの世界の中でも、みんなに助けられて、きっとたくさん笑ったんでしょ?」
分裂のあなた「…どっちを選んでも、きっと間違いなんてないよ。別れじゃない。新しい…新しくなるんだよ。あなたは消えるわけじゃない。」
自分の、自分の適した色を探して、見つけて…
桜「あー…分裂ちゃんが。」
分裂のあなた「あー…早く…決めて…」
私の居場所はどちらにもある。
元の世界なら、先輩や後輩、友達に、医者への道…。
コナンの世界なら、安室さんやコナン君、赤井さんたち…。
…でも、私は…まだ、まだやらなくちゃいけないことがあるんだ。
『〜〜〜〜。』
答えを告げた時には、もう1人のドッペルゲンガーは、桜が舞い散るかのように、淡く消えた。
桜「お前にはどっちの世界もお似合いだよ。まあ、せいぜい頑張んな…あほ。」
ありがとう、あんたを助けてよかったよ、口パクで伝えた私の言葉に、ふっと笑った桜も、微かに炎の焦げ臭い匂いを漂わせて消えた。
暗闇になっていく視界の中、少し笑ってしまった。
なんだよ、桜だって、最期の身だったじゃないか。
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みんと(プロフ) - タナトフィリアさん» ありがとございます!!返信遅くなってしまって申し訳ないです笑夢主ちゃんのパリピさはきっと誰からも人気ですね笑笑(個人的な意見笑) (2018年8月8日 9時) (レス) id: e91668a119 (このIDを非表示/違反報告)
タナトフィリア - とても面白かったです!夢主ちゃんの性格が好きですw更新楽しみに待ってます!応援してます! (2018年7月3日 3時) (レス) id: 41c9a6a89d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:安室透・みんとちょこの狐 | 作成日時:2018年5月3日 18時