とりっぷ12 ページ14
『そうですね〜私のこと言ってませんでしたね。』
私の前にいい匂いのする紅茶が置かれる。
その香りをすっと吸ってから、降谷さんに話し出した。
ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ
小学3年生の夏。
『まま、ぱぱ、楽しかったね！！』
たくさんのアトラクション。
ジェットコースターにコーヒーカップ。
滅多に休みがとれない両親と、遊園地に遊びに行っていた。
電車で行ける距離だったが、3年生の小さな体だった私は、くたくたで、母と父と手を繋ぎ、半ば引きずられながら歩いていた。
電車に乗り、あっという間に私の家の近くの駅に着く。
『まま、ぱぱ、明日からまたお仕事なの？』
毎日これを言うのが習慣になってしまった。
決まって、母と父はそうだよ、と答えるのに。
ずーっと小さな頃から1人だった私は、寂しい気持ちもあるが、大変なのは分かっていたから、黙って母と父の手を握った。
下を向いて引きずられながら歩いていると、交差点に着いた。
いつもの交差点だ。
もうすぐで家だ…。
家へ帰ったら、お風呂に入りたいなあ…そのまま寝てしまいたいな、と青信号なのを確認して、母と父の手を離して2人の前に出る。
『お家まで競そ「「危ない！！！！」」
え、と言う間もなくドンッと背中に衝撃が来る。
私の体は、交差点の向こう側まで吹っ飛ばされた。
『痛いよぉ…』
激しい痛み。何でこんなことするんだ、と後ろを振り返ると…
──血まみれの両親がいた。
『…ひ』
息が止まる。いや、息の仕方を忘れていた。
倒れている両親の前には白い大きな乗用車。
白いはずの車のボンネットは赤く塗りつぶされていて、まるで幼い子が塗った、塗り絵のようだった。
泣くことも、息をすることも忘れて、両親の元へ駆け寄る。
鮮やかに飛び散った鮮血は、じわじわとアスファルトの地面を塗りつぶす。
母と父の手を握る。
父も、母もまだ温かかった。
『ぱぱ？まま？』
起きる訳ないのに。
知ってる上で話しかける。
すると──
母「…A…。人助けはね、自分の幸せになるの。貴方らしく、最後まで、明るく…生きてね。」
ぐったりしている母が私を見てそう言った。
『ま、ま…』
こんなの嘘だ！夢だ！
さっきまであんなに幸せだったじゃないか！！
一気に涙が出てくる。
血まみれで、動かなくなった両親の頬を涙で濡らしてゆく。
作者＞＞＞＞
文字数…次に続きます。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 128人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みんと(プロフ) - kyoukaさん» すみませんでした...不注意で...直しておきます (2018年8月21日 21時) (
レス) id: e91668a119 (このIDを非表示/違反報告)
kyouka(プロフ) - 沖矢さんが「工藤くんは薬を飲んで小さくなった」と説明してるのに、24ページでコナンが主人公にこっそり「俺の正体知ってるの？」と訊くのはおかしくないですか…？ (2018年8月21日 14時) (レス) id: 5e916ee117 (このIDを非表示/違反報告)
安室透･みんとちょこ(プロフ) - みやびさん» みやびさん...神ですかね？？応援＆心配とか感謝です...。更に応援って...もうほんとにありがたみの極みですね！！馬鹿だから大丈夫ですよ！！勉強と両立させて頑張ります！！ (2018年4月22日 8時) (レス) id: abf3490b97 (このIDを非表示/違反報告)
みやび(プロフ) - 更新頑張ってね！１ヶ月も大丈夫ですか？これからも応援しています (2018年4月22日 0時) (レス) id: 0066284f03 (このIDを非表示/違反報告)
安室透･みんとちょこの狐(プロフ) - 安室透さん» あら〜！お名前お揃い☆((そうじゃない。 ほんとですか！？頑張ります！！更新！ (2018年3月10日 9時) (レス) id: e334f60f9f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：安室透・みんとちょこの狐 | 作成日時：2018年3月3日 13時
