Flower[監獄少年]

花17輪 ページ26

『久しぶりです。お団子一個ください。』

お店の中でゆったりとくつろいでいる紗季さんに声をかける。

紗季「久しぶりね！！Aちゃん！！特高の服、似合ってるわよ。今、お茶と一緒に出すわね！」

元気ではっきりとした声に心が落ち着く。

ここは、紗季さんのおじいさんがやっているお茶屋さんだ。

紗季さん──
白い着物を着ていて、髪の毛をいつも上でお団子にしている。
明るくて気前がいいので、紗季さんを知っている人はたくさんいる。私と紗季さんは、長い付き合いだ。色々な理由があって知り合ったが、それはまた今度。

ふんわりとした黄緑の壁に寄りかかり、おいしいお団子が来るのを待つ。
ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ
紗季「はい！どうぞ〜^^*」

『え！？こんなにたくさん！？』

紗季さんが持ってきたのは、みたらし団子に、桜餅、うすいもなかにあんこが入ったお菓子だ。

紗季「女の子が難しい顔しないの！サービスよ！さ、たくさん食べてゆっくり休みなさい！」

内緒よ、とウインクをした紗季さんにありがとうございます！と今日一番の笑顔でお礼を言った。
ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ
紗季「また来てね〜！！」

『はい！ご馳走様でした！！』

紗季さんからサービスしてもらった和菓子も全部食べて、幸せだ。

直也先輩に続き、反逆者を捕らえて処罰することを知った私は、危うく壊れそうだった。

今はほんの少しだけ気持ちが明るくなり、心做しか足取りも軽い。

『戻らないと…』

そろそろ帰ろう。と監獄十二階の方へ歩き出した。



『こんなところに、池が…！』

歩いて帰る途中、大きな池を見つけてつい立ち寄ってしまった私。

看板にはひょうたん池と書かれており、監獄十二階が良く見える。

『こんなところに…。』

夕日の光を浴びた池はきらきらと光っていて、綺麗だ。

その前に…









にこにこと笑う大和君と、









知らない女の子が話していた。

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