2話『いなり寿司ってほぼいなり味の飯だよな。』 ページ3
鬱先生には部屋の外へ出てもらった。
1番上の段が空いている本棚、何の物も飾られていない壁、花の無い花瓶、机のランプに通されたミサンガ…この部屋はストーリー序盤の主人公の部屋と全く同じだ。物はストーリーが進むにつれて増えていくし、ルート分岐によっても変わっていく。ちなみに、ゾムルートで知ったんだけど、ミサンガは鬱先生が編んだ物らしい。可愛いｯ…尊ｯ…！
とりあえず、私はベージュのクローゼットから制服とブラを取り出して着替えることにする。この主人公はAカップ用のキャミブラを使っていて、スカートは膝より少し上の長さで履き、靴は学校のローファーだった。スカートは折らず膝より下、靴はスニーカーに変更させてもらおう。
「おい鬱ー、鞄持ってこい、鞄。」
「しゃーないなー、今持ってったるわ。」
着替え終わった私は、外にいる鬱先生に私の学校鞄を持ってくるように言った。クズいけど主人公に優しい幼馴染属性はマジ最高。
「あっ、ごめん鍵掛けっぱだから今開ける。」
着替えるために扉の鍵を閉めてたのを忘れていた。私は早足で扉の前に行き、サムターンを回して鍵を開けた。
「うわぇっ？！」
「ふぁっ？！」
扉の取手に手を掛けていたのか、鬱先生が扉に引っ張られるように転び、私を押し倒すような形で着地を決めた。
押し倒すというか、ベッドでのを角度変えましたバージョンなだけだな。ていうか、シャツの前開けってけしからんと思うんだ。ちらちら見える胸元がえｯｯすぎてもう、マジ結婚。リビングの財布からパチった金で挙式あげよ。
そういえば、此処で主人公が転げてパンツが見える一定確率で起こるレアイベントだったなコレ。
「い、いまどくわ…」
「おう、シャツのボタンは留めとけ襲われるぞ。」
「お…、おう…？」
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作者名：??めうめう?? | 作成日時：2022年6月16日 3時
