Liz

23．お互い様 ページ27

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「っあ、、ちょっ、二人とも…！！」

駄目だ、気づくのが遅かった。

みんなやられる…

カイとマリも構えたけど、もうその機械は薄気味悪い笑みを浮かべて空中高くへ飛び上がっていた。


無理だ、間に合わない…！！












＿＿死ってこんなに呆気ないものなのか。




高層ビルから落っこちようとして助けられた、カイに何故か申し訳ない気持ちが湧いた。

死のうか死なないか悩んでいたのが嘘みたいだ。

こんなに簡単に死ねるなんて。






＿＿＿でも、なんだろう。

嬉しくない。

思い切ってビルから足を離したときには、嬉しくて、そしてこうやって死ぬ勇気のあった私を褒めてあげたいとまで思っていたのに。

でも、嬉しくない。




怖いわけじゃない。

別に悲しくもない。

一瞬先の未来が死だということに何も感じない。


あんなに死にたかったのが嘘みたいだ。



…"寂しい"、


それが一番近い感情に思えた。


私、これから死ぬんだ。死ぬのかな。









＿＿＿どうせ生き延びたんなら、






カイやマリともっと話していたかった。


初めて知った私を何の躊躇いもなく受け入れてくれたこの2人に、


私はごめんと、心の中で謝った。













そんな思いを一瞬で頭の中に巡らせて、



私は目を瞑った。





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