Liz

18．感情をもつ、機械 ページ21

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「あー、久しぶりだからやっぱ楽しいな！」

恐ろしいほどのスピードで桜を巻き起こすマリ。


途中から「ねみぃ」とか「寝ていい？」とかしか言ってなかったカイは既に地面に転がって寝ていた。こいつ朝から眠いしか言ってなくね？


魔法とか初めて見たけど、朝から何度も見せられてなんだかあまり吃驚しなかった。他の人だったら、きっと魔法なんてありえないって言ってまたいつもの日常に戻っていくんだろうな。つまんない世界だ。


でもやっぱり見慣れないものだから面白くて、私もしばらくマリと遊んでいた。



「ねーねー」

「ん？」

「リズの魔法も見せてくれるー？」

「…え」

唐突だった。そのうち言われるかなーとも思ってたけど。
目をキラキラさせて私を見てるマリを見てると、少し申し訳ない気分になった。


「…ごめん、私、魔法使えない…」

言うと、マリはきょとんとする。


「あれ？でもリズって、魔法使いだよね？あれ、違った！？」

一人でわたわたしてるマリ。私はそれを宥めながら言った。

「いや…なんか、よくわかんなくて。カイに魔法使いだって言われたんだけど、だって私普通の人間だから。」

単なるカイの間違いだと思ったけど、マリにまで言われるとは…、ますますよくわからない。

「えー…でもなー、リズは多分魔法使いだと思うよ、気づいてなかっただけじゃない？」

そういうのよくあるし、そう言ってマリは黙り込んだ。

「うーん…そうなのかなぁ、」



二人して黙り込んだとき、どこかから変な叫び声が聞こえた。

カイがいつの間にか起きていた。
走ってくる。只事じゃない様子だった。

「おい！！」




「お前ら！！！！」


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