吉野順平ガチ勢が原作をぶっ壊す話3

推しの体調不良イベとかまじで心臓に悪いんですが ページ36

｢A、あんた吉野のこと知らない？｣


なんてことない水曜日、1週間のうち平日の真ん中である今日は

特に憂鬱でも、逆に爽快でもないような平凡な日である

そんな日の朝、早い時間帯の任務が入っていたために既に準備を済ませ

さぁ行こうと寮を出ようとしたその時、野薔薇ちゃんからそんなことを聞かれたのだった


『今日は見てないかな…ボクが起きたのは6時前だし、そのタイミングで声をかけるのもね』

｢あんたが見てないとなるとまだ部屋かしら、珍しいわね｣

『え、順平リビングにいるんじゃないの？普段ならもう起きてる頃だけど……』


今の時刻は8時丁度

まだ早いとはいえ、順平は平日ならば7時台に起きる

そのため今日は普段より早い時間帯に起きて朝食の作り置きをしたのだ

しかし起きていないとなるとまだ寝ているのだろうか

授業もあるだろうしそろそろ起きないと授業に遅刻するのではないだろうか


『ちょっとボク見てくるよ』

｢頼むわ、寝てたら容赦なく起こしなさいよね｣

『はいはい』


野薔薇ちゃんにそう言って、少し早足で順平の部屋へと向かう

早めに出る準備をしていたから時間はまだ15分ほどあるものの

伊地知さんの事だ、既に待機しているだろう


『順平〜？そろそろ起きないと授業遅れるよ？』


順平の部屋を軽くノックしてそう声をかけるも、返答はない

仕方が無いので扉を開き、部屋の中へとはいると、カーテンは閉じたまま

ベッドにはこんもりとした厚みがあり、やはりまだ起きていなかったのかと納得する

布団をそっとめくれば、少しまるまった彼の小さな背中が見え

少しばかり微笑ましくなった


『順平、気持ちよく寝ているところ申し訳ないんだけど、そろそろ時間…だ……』


少し肩を揺らそうとその体に触れた途端、普通ではありえない熱が掌に伝わり言葉が詰まった

咄嗟に背けられた顔をこちらへと少し傾けさせてその額に手を当てれば

明らかに熱があるのがわかる

苦しげに顰められた眉と、おぼつかない呼吸に冷や汗が流れた


｢ん……あ、れ……A…？今日…、任務じゃ…｣


ふと、目が覚めたのかゆっくりと瞼が開かれる

だがその瞳は虚ろげで、彼が体調不良であることがすぐにわかった

ボクは順平の額から手を離すと、急いでスマホを取り出して伊地知さんに連絡を入れる


『あ、もしもし伊地知さんですか？ボクです、今日の任務別の方に頼めませんかね』

届くはずの無い手紙が届いた上に返事が返ってくるような話→←※推しの幸せを捧ぐオタクさんリクエスト、順平くん＆柊くんがラッキースケベに遭う話

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