傲慢であれ ページ11
順平side
揺れるクルーズの中、1人外の空気を吸うためにデッキへと出る
賑やかな船内とは違い、ここは静かだ
「おや、料理が口に合わなかったかな?」
「……!ジョゼフさん…いえ、そんなことは…」
ふと、灰色の髪を揺らしながら、ジョゼフさんがワイングラスを片手に話しかけてくる
クルーズ船の中ではパーティーか何かだと疑ってしまうようなほど
豪華なバイキング形式の食事が広げられており
オシャレなスーツに身を包んだジョゼフさんは絵画から飛び出してきたのかと
疑いたくなるほど様になるものだ
僕もまた場に合うようにとジョゼフさんから貸してもらった正装に身を包んではいるが
どうにも落ち着かない
対照的にAはさすがジョゼフさんの血縁者
綺麗にスーツを着こなして料理を嗜んでいる
「イケメンだろう?うちの息子は」
「えっ、は、はい…それはもう…」
「中学の時は遊び歩いていてね、あの顔だから少し自信過剰なところがあって、正直心配だったんだ」
「Aが…ですか?」
聞いたことの無いAの過去の話
確かに僕が初めてあった時はバチバチに空いたピアスにラフな格好という
不良感を漂わせる様だったが
時間を重ねることに、僕が不良に対しトラウマがあることを気にしてか
ピアスを大人しめのデザインに変えたり、服装もラフなものから大人っぽいものに変えたりと
本当に気を使ってくれているんだな、なんて言う彼の優しさが滲み出ているところを見てきた
だから、遊び歩いていた、なんてことを聞いて驚かないわけがないのだ
「でもね、久々に会った時にすぐにわかったよ。変わったんだな…ってね、多分それは君がいたからだとも、順平くん」
「僕……ですか」
「あぁ、あの子があの子まで惚れ込む子なんてそうそういなかったからね」
「僕なんかで、いいんですかね…彼の隣にいるのが……」
僕の言葉にジョゼフさんはパチパチと瞬きした後に、くしゃりと笑う
そして僕の頭を撫でながら口を開いた
「順平くんはもっと傲慢になるといい、それとも、Aが他のところに行ってしまうのを許してしまうのかい?」
「……っそれは…」
「ここらじゃ一夜の付き合いに誘う女性はざらにいるよ、ちゃんとあれは僕のだっていってくるんだ」
軽くウィンクを飛ばされて、ジョゼフさんは僕の体を船室の方へと向けた
向いた先に見えたのは、パーティードレスに身を包んだ女性に囲まれて立ち往生する
Aの姿だった
推しに恋人宣言されたしそろそろ式場決めに行こっか→←やっぱり耐えられないラインってあるんですね
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るぅ - シリーズの初めから見させていただいています。本当に面白いです!私はオリジナルを挟みつつみんなを守る(渋谷事変とか)ようなストーリーが見たいです。もちろん順平は守りつつ! (2021年4月2日 21時) (レス) id: 652744ebae (このIDを非表示/違反報告)
紅丸(プロフ) - 小日向。さん» 柊くんの怪我ネタネタですね!ちょうど下書きに似たようなものがあったので出させていただきます! (2021年4月2日 15時) (レス) id: a89c7750fe (このIDを非表示/違反報告)
推しの幸せを捧ぐオタク - またリクエスト良いでしょうか?呪霊の呪いによって順平君の一人称が名前になってしまったら…(「僕」=「順平(ひらがなでも良し!)」)と言うのを見てみたいんです。きっと可愛いだけじゃ済まさない位可愛くなるんだろうと思うんです…! (2021年4月1日 16時) (レス) id: b126daf9ba (このIDを非表示/違反報告)
せう(プロフ) - モチベ〜〜〜上がってくださいーーー!!!(( (2021年3月31日 23時) (レス) id: 71865eb671 (このIDを非表示/違反報告)
るるむ - 全然関係ないですが個人的には順平だけを守るために高専に入った夢主くんだったけど気づけばみんなのことも大事になってたみたいな更なる成長がみてみたいです! (2021年3月26日 13時) (レス) id: ddfa373cf0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紅丸 | 作成日時:2021年3月9日 7時