「私、笑えませんから」【SixTONES】 (ページ41)

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視界が真っ白になっていって
目を開けていることもできなくなった

ついに息を吸い込むこともできなくなって
肺が苦しくなって全身の力が抜けていく

北「A、薬だけ飲もう少し楽になるから」

強引に薬を飲み込んで
口元に充てられた酸素を吸う

北「よしよし、えらいえらい」

「大丈夫大丈夫」

「ゆーっくりゆーっくり吸おう」

慎「北斗変わる」

北「頼んだ」

少しずつ呼吸が楽になっても
酸素が回りきってないのか意識はまだ真っ白なまま

慎「A、体勢辛くない？」

小さくうなずく私の頭を撫でてくれる慎太郎
反対の手ではずっと私の手を握ってくれている

「あと7分でMC交代」

「着替えれる？」

『だい、じょうぶ…です』

『もうできます』

薬が効いてきてかろうじて
自分の力で起き上がることができた

腕、足はしびれて力を入れる震えてしまう
けどここまできて、できませんなんて
私のプライドが許さなかった

「椅子に座って着替えようか」

北「大丈夫か」

『大丈夫』

やらなきゃいけない
私たちのために来てくれた多くのファンを目の前にして
たったこれだけの私情を挟んでくじけるなんて

ただの甘えだ