「私、笑えませんから」【SixTONES】 (ページ18)

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「ではいくつか質問させていただきます」

固定されたカメラの横でペラペラと紙をめくる
少しだけ緊張しながらも質問を待った

「Aさんにとって笑うということはどういうことですか」

禁句ともいわれてるようなその質問
カメラマンも少しだけこわばったような表情を見せた

『私にとって、笑うことは』

そこまで言って詰まってしまった

『笑うこと…』

私にとって笑うことってなんだろう
考えてみたこともなかった

【Aが笑ってる顔ってなんか怖いよな】

【わかる、なんか不気味だよね】

『人を不幸にすること…』

「え？」

『あ、いやなんでもないです』

『私、昔から笑うのが苦手で、笑うことは私にとって人生の壁かもしれません』

「いつから笑わなくなったんですか？」

あの時から、不気味と言われたあの時からなんて言えない

『入所して少し経ったぐらいですかね、はっきりとは覚えてません』

そのあとのインタビューの内容はなんとなく頭に入ってこなかった
何を聞かれたのか何を話したのかも曖昧なほど、ぼやぼやと記憶に残った