検索窓
今日:11 hit、昨日:59 hit、合計:180,694 hit

episode 5 肉まん ページ8

×××


「よっ……しょ……」


黒羽家が契約している使っていないマンションの一室に送り届けられたかと思うと、快斗君は用があるから、と早々に部屋を後にした。

ブレーカーが落としてある状態だったので椅子を二つ組み合わせて台を作り、ブレーカーを入れる。


「ふー……」


あれから快斗君の母親である千影さんとパソコンの画面越しに話をして、正式な滞在許可を頂いた。生活費だけでなくお小遣いのような物も月ごとに仕送りしてくれるそうだ。

流石に遊ぶお金までは、と言ったが昔から何かと費用を赤城坂家持ちで旅行に行ったりしていたし、その支払いだと思ってくれ、とまで返される。どちらにせよ感謝しかない。

元々あったソファに腰掛け、部屋に置いてあったテレビを付けると、今全国を騒がせている犯罪者、怪盗キッドの犯行現場を生中継していた。


〔ご覧下さい!怪盗キッドが今、高層ビルの屋上から飛び立ちました!!〕


夜空に目立つ白色の衣装。ふと、今日快斗君と鉢合わせた時に彼はやけに地味な服装だった事を思い出す。黒い服に深く被った帽子。そして、まるでやましい事でもあったかのようなあの態度。

現場の下見、もしくは仕込みが終わって帰る途中だったとしたら、辻褄が合う。


「……まさか、ね」


テーブルに移動し、適当にコンビニで買った肉まんの袋を開ける。


「いただきます」


中継が終わり、普通のニュースになったところでテレビを消し、肉まんを頬張った。

怪しまれないため、普通の小学生を演じなければならないという事実に内心気疲れするも、取り敢えず今は忘れて、肉まんをひたすら口に運んだ。


×××

episode 6 チビガキ→←episode 4 倍返し



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (72 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
241人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

瀬天心葉(プロフ) - わっ、これ好きです!夢主ちゃんとても可愛いですね!これからも頑張ってください! (2020年2月18日 19時) (レス) id: 7f9bbdec25 (このIDを非表示/違反報告)
せろり。(プロフ) - 神作の予感しかしません。どうしたらいいでしょうか← (2020年1月12日 22時) (レス) id: b178d32fe6 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:小紅 | 作者ホームページ:Twitter @kobeni_yume  
作成日時:2020年1月12日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。