episode 4 倍返し ページ7
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「それで考えながら歩いてたら、快斗君とぶつかったって訳」
落ち着いて話がしたいということで、一旦快斗君の家に上げてもらった。カーテンレールにかかっているハンガーには、先程手洗いさせてもらった私の靴下が干されている。
「お前、怪我とか大丈夫か?」
「見ての通りピンピンしてるよ」
頭の痛みやだるさも引いたし、と付け足す。ナチュラルに暖かい紅茶を出されたので今更ながら目の前の幼馴染の彼氏力的なものを感じていると、頭上から声が掛かる。
「んで?結局どーすんの?お前」
「靴買って欲しい。子供用の。いつかお金返すからさ」
「……いや、どこ行くんだよそんな体で。さっきみたいな感じで大人と鉢合わせたら通報されて孤児院行きがオチだろ」
「……そうだね。一理ある」
かと言って家に居させてくれとも言えまい。幼馴染である快斗君の家はいくら兄でも真っ先に考えつく場所だ。
快斗君もそれはわかっている。申し訳ない事に、私がこの状態になった時点で幼馴染である彼には強制的に迷惑がかかるのだ。
机を挟んで目の前の椅子に腰掛けた快斗君は、自分のマグカップを机に置くとこちらを見た。私は思考しながら紅茶の水面を眺める。
「母さんが昔使ってたマンションの一室、今権利うちにあるけど誰も使ってねえし、そこは周りの奴らも知らない」
そこなら貸せるぞ?といたずらっぽく笑う快斗君。私も少し笑った。
「ありがとう。全てが終わったら倍にして返すよ」
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瀬天心葉(プロフ) - わっ、これ好きです!夢主ちゃんとても可愛いですね!これからも頑張ってください! (2020年2月18日 19時) (レス) id: 7f9bbdec25 (このIDを非表示/違反報告)
せろり。(プロフ) - 神作の予感しかしません。どうしたらいいでしょうか← (2020年1月12日 22時) (レス) id: b178d32fe6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:小紅 | 作者ホームページ:Twitter @kobeni_yume
作成日時:2020年1月12日 14時