episode 1 幼児化 ページ4
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頭がとても重い。動かそうとするとミシッと体が軋んだ。何とか上体を起こしてみる。
｢死んで……ない……｣
生きている。その実感を噛み締めるように手のひらを握ったり離したりした。そして気づいた事がある。
｢あれ……なんか、小さい……？｣
すらりとした大人の手では無く、もちもちの子供の手。自分の体を見下ろすと、先程まで着ていた服がぶかぶかになっていた。
｢は、はは……｣
兄に殺害未遂されて目が覚めたら小さくなってました、なんて笑えない冗談だ。
兄が私に盛った薬が最初から幼児化作用のあるものだったというのも考えたが、それなら“永遠に黙れ”なんてセリフは吐かないだろう。あの興奮具合は明らかに殺人をする人間のものだ。
薬の入手ルートは知らないが、こんな作用のある薬を作る者、もしくは者達なら相当危険であると考えた方が良い。
もしも実験台にされたら？生きて帰ることはできないだろう。想像を絶する苦痛を味わうかもしれない。
もしも幼児化して隠れ生きている人が居たら？その人達が見つかるきっかけが自分になってしまう。
もしも兄が口封じに殺されたら？薬を投与した後も様子を見にこない辺り彼は詰めが甘い。その可能性は十分にある。
｢死を偽造するか、そもそも投与しなかった事にするか……｣
私は少し考え、スマホの録音アプリを起動する。先程の食事に行く前に一応起動しておいたので、兄が私を殺そうとする音声データがしっかり残っていた。
──“私は生きてる。私に薬を使ったことを薬の入手元に言えばこの音声データを公開する。いざとなれば葡萄ジュースに溶かした方の薬で何とか誤魔化して”
｢勿論、私を探したりもう一度殺そうとしても公開するから、っと……｣
音声データと共にそんな文章を兄に送信し、一息つく。言うのもアレだが兄は小物なので、入手元にマークされていないだろうという見通しがあっての事だ。
とりあえずこの姿で見つかる事は一番まずいので、着ていた白いカッターシャツをワンピースのように着直し、靴は無いので仕方なく靴下だけ履いて速やかに屋敷を脱出した。
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瀬天心葉(プロフ) - わっ、これ好きです！夢主ちゃんとても可愛いですね！これからも頑張ってください！ (2020年2月18日 19時) (
レス) id: 7f9bbdec25 (このIDを非表示/違反報告)
せろり。(プロフ) - 神作の予感しかしません。どうしたらいいでしょうか← (2020年1月12日 22時) (レス) id: b178d32fe6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小紅 | 作者ホームページ：Twitter @kobeni_yume
作成日時：2020年1月12日 14時
