episode 27 睨めっこ ページ30
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「おーい、A……起きろー、まだ十七時そこらだぞー」
「ん……」
「おーい、A!」
「……あれ、快斗君……私いつの間に快斗君の家来たっけ……」
「何寝ぼけてんだ、お前良い歳して机に向かって寝落ちしてんじゃねーよ」
「あぁ、そうだった。快斗君どうしたの」
ボケっとしていた頭がだんだんと覚醒してきた。私は体を起こし、まだ閉じたがっている目を擦る。
「どうしたのって……お前が面倒臭がるからSIMカードとかの設定しに来てやったんだろ」
そういえば、電話口で面倒だと零した際に近々手伝ってやると言われた記憶はある。だが、急に来るとは思っても居なかった。せめてメッセージの一つくらいくれても良かったのでは無いだろうか。
「んで?何で早くから机に突っ伏して寝るほど疲れたんだよ」
口調は普通だが、快斗君の呆れたような表情が一瞬凍ったのを私は視界の端に捉えた。その視線の先にあるのは、調べ物の資料──怪盗キッドに関する資料だ。
「転校先の子達と鬼ごっこしてたんだよね。昨日言ってた冷蔵車で一緒になった子達なんだけど」
「へー。そりゃお疲れさん。それより、Aってキッドのファンだったか?」
いちいち新聞の切り抜きとか目撃情報集めるほど、と怪訝な顔で聞いてくる快斗君。私は立ち上がり、机の上を綺麗にしてから台所でお茶を入れる。
「いや、そうじゃないよ。最近世間を騒がせてるキッドってどんな奴なのか気になってさ」
お茶を差し出しながらそう言い、さり気なく快斗君の顔色を伺った。真意が読めない、よく分からない顔をしている。
「へー。お、サンキュ!」
「じゃあちょっとスマホとSIMカード持ってくるからよろしくね」
「丸投げかよ!」
何だかんだ言いつつ快斗君の活躍でしっかり私のスマホは機能するようになり、お礼に昨日作って余った野菜炒めを渡しておいた。
「じゃあな、また危ないことに首突っ込むなよー!」
「分かってる、快斗君こそね」
玄関から出ていく快斗君を見送ると直ぐに私はまた片付けた資料を広げ、紙面とのにらめっこを再開した。
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瀬天心葉(プロフ) - わっ、これ好きです!夢主ちゃんとても可愛いですね!これからも頑張ってください! (2020年2月18日 19時) (レス) id: 7f9bbdec25 (このIDを非表示/違反報告)
せろり。(プロフ) - 神作の予感しかしません。どうしたらいいでしょうか← (2020年1月12日 22時) (レス) id: b178d32fe6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:小紅 | 作者ホームページ:Twitter @kobeni_yume
作成日時:2020年1月12日 14時