episode 26 増え鬼 ページ29
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昨日の子供達が一気に私を取り囲む。本当にフレンドリーな子達だ。
「六丁目にあるマンションだよ」
「じゃあ歩美達と途中まで一緒だね!」
「どうせなら、公園で遊んで帰ろーぜ!」
「良いですね!」
あれよあれよといううちに話はどんどん進んで行く。帰ったら調べ物の続きがしたかったのだが、この雰囲気で帰るとは言えず近くの公園に移動した。
「何する?」
「鬼ごっこはどうだ?ボールもねえしよ!」
「良いですね!ではジャンケンで鬼を決めましょう!」
強引さにはもう突っ込まないことにして素直にジャンケンをする。結果は一発でコナン君の一人負けだ。公平性を考えて増え鬼をすることになり、コナン君の十秒カウントに合わせて皆が公園内に散らばった。
私はあまり疲れたくなかった為に隠れることを選択し、小さな滑り台の陰に座り込む。
「さーん、にー、いーち、ゼロ」
コナン君の声が遠くで聞こえ、目の前を焦った表情で走っている光彦君が通過した。その後ろからもう一つの足音が聞こえてくる。恐らくコナン君だろう。
目の前の捕獲対象である光彦君に夢中のコナン君は私には気付かないだろう。ここでやり過ごす事を決め、息を潜める。
「っくし!」
息を潜める。
「……」
「……」
私の目の前で足を止めたコナン君と目が合った。
「……はい、タッチ」
「……あ“ー!悔しい!絶対バレないと思ったのに……」
「……うん」
「……うん」
と、まあこんな感じで初っ端から鬼になり、とても疲れた。私は女子勢を全力で追いかけたのだ。そして見事捕まえた。昔から色々な武道を齧っていたので基礎体力には自信があるのだ。
まあ、体の使い方やセンスの無さなどによりどれも開花する事は無く、一番長く、四年ほどやっていた弓道でさえ的に当てる事は辛うじてできる程度のクオリティに終わったのだが。
「じゃあ、また明日ねー!」
「オウ、また明日!」
そうして結局、遊び疲れて帰宅し、調べ物の資料に突っ伏して眠ることになった。
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瀬天心葉(プロフ) - わっ、これ好きです!夢主ちゃんとても可愛いですね!これからも頑張ってください! (2020年2月18日 19時) (レス) id: 7f9bbdec25 (このIDを非表示/違反報告)
せろり。(プロフ) - 神作の予感しかしません。どうしたらいいでしょうか← (2020年1月12日 22時) (レス) id: b178d32fe6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:小紅 | 作者ホームページ:Twitter @kobeni_yume
作成日時:2020年1月12日 14時