7眠い。只ひたすらに眠い。 ページ8
(-_\)
人魚が仕切る海深くの王国から約三十分泳いだ所に、それはそれは恐ろしい魔女が住んでいました。。暗く大きいサンゴ礁の洞窟で、一人寂しく魔女は暮らして居ます。そんな場所に、ある、一人の人魚がやってました。
「こんにちは乱歩さん」
「やあ太宰、遅かったね」
水色のヒレをパタパタと動かす太宰に、乱歩は云いました。
「僕の所に来るってことは、余程の用があるんだろ。願いを叶えてやるけど、代償が必要だよ」
その赤い数本の足を挑発的にうねらす乱歩さんに、太宰は紫色の風呂敷で包んだ小さな箱を渡しました。乱歩さんがそれを開いた途端、目を輝かせてこう云いました。
「それで? 願いは何さ。このトッポに免じて何でも聞いてあげるよ」
ぽりぽりと物凄いスピードでトッポを食べる乱歩さん。そんな乱歩さんに呆れつつ、太宰は真面目な顔で云いました。
「私を、人間にしてほしい」
太宰がそう云った途端、乱歩さんはトッポを食べる手を止め、目を薄く開きました。先程迄の無邪気な雰囲気は消え、こちらも真剣です。
これは私も覚悟を決めなくては。太宰がそう誓ったのも束の間、乱歩さんからは意外な答えが。
「うん、いいよ」
先程迄の真剣ムードは何処へ行ったのやら、太宰は拍子抜けして床にぺたりと座り込んでしまいました。
そんな太宰を無視して、乱歩さんは薬品戸棚からある小瓶を取り出しました。青く澄んだ色をした美しい小瓶です。
「はいこれ」
「え?」
「これを飲めばたちまち美しい人間に早変わりーって云う便利な薬だよ。あ、ちゃんと全部飲んでね」
あまりにもあっさりとした乱歩さんの態度に、流石の太宰もたじろぎます。
「人間になりたいんでしょ? ならこれ飲んで。その代わり、代償は重いよ?」
その言葉にごくりと太宰は生唾を飲み込みました。
「そうだねぇ……じゃあその声でも貰っとこうかな」
淡々と勝手に物事を進めて行く乱歩さん。気がついた時には契約書にサインをしていました。抗議をしようにも仕事が早く、既に声は出ません。
何てブラックな……。太宰は思いました。
「はいこれで後戻りは出来ないよ。真逆とは思うけど、これくらいの度胸と覚悟はあるよね?」
太宰は乱歩さんに鋭い目で見据えられます。
太宰は嬉しさと不安に駈られながらも、コルクの蓋を空け、液体を勢いよく体内に流し込みます。
あ、ブルーハワイだ……。
乱歩さんの優しさにときめく太宰。暫くして太宰の意識は朦朧とし始め、ふわふわと浮くような感覚に支配されました。
8(^_-)-☆6と7のギャップが凄いって?気にするな☆→←6(´д`|||)<<早く女性ver書きたい。
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高瀬みわ - なんか2回も送ってましたスイマセン! (2017年11月20日 6時) (レス) id: 96a2f8cf6a (このIDを非表示/違反報告)
高瀬みわ - 続き楽しみにしてます。 (2017年11月20日 6時) (レス) id: 96a2f8cf6a (このIDを非表示/違反報告)
高瀬みわ - 続き楽しみにしてます。 (2017年11月20日 6時) (レス) id: 96a2f8cf6a (このIDを非表示/違反報告)
雨音きこ(プロフ) - 一介の爬虫類さん» 更新楽しみにしてます!! (2017年8月26日 12時) (レス) id: 82357cb6e1 (このIDを非表示/違反報告)
一介の爬虫類(プロフ) - 雨音きこさん» 所々おふざけが混ざってましたけどね。中盤に差し掛かりましたよ。 (2017年8月26日 0時) (レス) id: 94827244c2 (このIDを非表示/違反報告)
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