4♪ (〃∇〃)ノ由☆ ページ5
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と、中也の前では威勢よく啖呵を切った太宰でしたが、何故か妙に織田作のことが気になってしまい昨日のあの浜辺に来ていました。
しかし、周りを見ても予想通りと申しますか織田作の姿などなくあまつさえ人っ子一人の影も見当たりません。
「んー……居ないねぇ」
そう呟くと、太宰は気をまぎらわせるために歌を歌い始めました。男性にしては高く澄んだ歌声は王国中に響き渡るよう。
何時の間にか織田作のことなど忘れていた太宰でしたが、いきなり現れた「すまない」という言葉が鼓膜を揺する感覚に心臓を奮い立たせました。
バッと勢いよく振りかえると、案の定そこに居たのは昨日浜で死にかけていた織田作でした。
素早いフラグ回収に驚きつつ、太宰は声をかけてしまいます。
「えっと、昨日の……」
「俺は織田作之助。人は皆織田作と呼ぶ。昨日、助けて頂いたお礼をしたいんだが」
「え? お礼?」
「嗚呼。俺を助けてくれたろう。君じゃないのか?」
「いや、まあ一応私だけれど、君」
太宰がそう言いかけた時、いきなり織田作は太宰もろとも岩の陰に倒れました。
「ちょ、何を」
「黙れ」
その低い声にピクリと体を反応させ、太宰は黙りました。織田作が見詰めている方向を見てみると、そこには二人の身なりの良い男が並んで歩いています。
彼らは服装から見るに城の執事のようです。
一人は高身長の眼鏡をかけた長髪、もう一人は体格には合わないぶかぶかの服を着た垂れ下がった目が特徴的な男です。
「全くあの王子は一体何処へ……。昨日まではまともに動けなかったのに」
「まあまあ落ち着いてくださいよ国木田さん。王子なら大丈夫ですよ」
「しかし、なあ」
「まあまあ」
こんな掛け合いをしながら二人は此方に向かって歩いて近づいてきます。
織田作は太宰に小声で「また明日、ここで会おう。お礼はその時に」と言って岩陰から顔をだし、なに食わぬ顔で二人の元へ行きました。
太宰はポカンとしながら、只々その大きい背中を眺めて居ました。
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高瀬みわ - なんか2回も送ってましたスイマセン! (2017年11月20日 6時) (レス) id: 96a2f8cf6a (このIDを非表示/違反報告)
高瀬みわ - 続き楽しみにしてます。 (2017年11月20日 6時) (レス) id: 96a2f8cf6a (このIDを非表示/違反報告)
高瀬みわ - 続き楽しみにしてます。 (2017年11月20日 6時) (レス) id: 96a2f8cf6a (このIDを非表示/違反報告)
雨音きこ(プロフ) - 一介の爬虫類さん» 更新楽しみにしてます!! (2017年8月26日 12時) (レス) id: 82357cb6e1 (このIDを非表示/違反報告)
一介の爬虫類(プロフ) - 雨音きこさん» 所々おふざけが混ざってましたけどね。中盤に差し掛かりましたよ。 (2017年8月26日 0時) (レス) id: 94827244c2 (このIDを非表示/違反報告)
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