-Another Story- ページ41
「傑、左から3番目の棚から醬油取って」
夏油「あァ、悟。何もしないなら向こうで待ってなよ」
五条「手伝うって言ってんだろ。何かやらせろ」
家入「坊ちゃんには何も無いってさっき言われただろ」
五条「誰が坊ちゃんだ！」
夏油「騒がないでくれよ。ただでさえ此処狭いのに」
「悟、もう出来るから待っていてくれ」
私がそう言いながら飴を2つ握らせると不貞腐れながらも硝子がいるほうに行った。
手が止まっていた料理の続きをしようとすると傑からの視線を感じた。
「ん？」
夏油「何か2人、変わった？」
家入「それ私も思った。何かあったの？」
「何か、何か？」
最近の悟と出来事を思い出してみるが思いつかない。
唯一、変わったのはよく悟が部屋に来ることか？
首を傾げながらネギを切る。
家入「そう言えば太腿の五条家の家紋、薄くなってる」
短パンの裾から見えている家紋は不思議と薄くなっていた。
夏油「効力が薄まってる？」
「どうだろうか？」
家入「本当にアレとなんにもないの？」
夏油「付き合ったとか」
「付き合う？」
切ったネギを出来上がったばかりの味噌汁に入れていく。
五条「付き合うとかじゃねェよ」
家入「ならどうしてこれが薄くなってるの」
五条「俺達の関係は言葉じゃ言えないんだって」
急に肩を抱かれる。
悟が再び来たことによってキッチンがまた狭くなる。
家入「意味わかんねー」
夏油「同感」
「悟、包丁持ってる」
五条「刺さっても硝子いるからいいっしょ」
家入「そんなの治さないからな」
夏油「ほら出来たから運んで」
五条「んー」
4人で出来上がった料理達をテーブルに並べる。
五条「灰原達は？」
夏油「もう来るよ」
「2級の任務だっけ？」
家入「そうらしいよ」
「1級に化けなきゃいいけど」
携帯を開くが特に連絡は無し。
夏油「2人の分は別にあるから私は先に食べよう」
各自、指定の椅子に座る。
五条「A」
「ん？」
五条「つまみ食いしただろ」
「してないが」
五条「ここ付いてる」
悟の顔が近づき、綺麗な白い指先が口元を撫でた。
「綺麗」
一言、そう呟くと悟が椅子から落ちる。
「ふふふ」
夏油「やっぱり君達、何かあっただろ」
「さァ？」
首を傾げながら大きな唐揚げを頬張った。
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作者名：アルマジロ
| 作成日時：2023年9月2日 9時
