-Episode85- ページ37
遠くから聞こえて来るヒールの音に視線を廊下に向けた。
九十九「君が夏油くん?どんな女が好みかな?ん?」
薄暗い廊下から出て来たのは金髪の女性。
コイツ、特級の一人か。
夏油「どちら様ですか?
灰原「自分はたくさん食べる子が好きです!」
九十九「ほぉ」
夏油「灰原…」
灰原「大丈夫ですよ。悪い人じゃないです。人を見る目には自信があります!」
夏油「私の隣に座っておいてか?」
灰原「?…はい!」
すると女は笑った。
九十九「君、今のは皮肉だよ」
灰原「じゃ、俺任務あるので失礼しまーす」
「気を付けて」
灰原が座っていた所に女が座る。
九十九「後輩?素直で可愛いじゃないか」
夏油「術師としてはもっと人を疑うべきかと…」
九十九「で、夏油君は答えてくれないのかな?」
夏油「まずは貴方が答えて下さいよ。どちら様?」
「特級術師、九十九由基」
九十九「正解」
夏油「貴方があの…」
九十九「お、いいね。どのどの?」
夏油「特級のくせに任務を全く受けず海外をプラプラしてるろくでなしの」
九十九「私、高専って嫌ーい」
夏油「拗ねた」
九十九「冗談。でも高専と方針が合わないのは本当。ここの人達がやっているの対症療法…私は原因療法がしたいの」
夏油「原因療法?」
九十九「呪霊を狩るんじゃなくて呪霊の生まれない世界を作ろうよってこと。近衛A、君も長く生きているからそう考えた事はないか?」
「ある」
その言葉に傑が私の方を見た。
九十九「少し授業をしようか。そもそも呪霊とは何かな?」
夏油「人間から漏出した呪力が澱のように積み重なり形を成したモノです」
九十九「excellent。すると呪霊の生まれない世界の作り方は2つ。1、全人類から呪力を失くす。2、全人類に呪力のコントロールを可能にさせる。1はね、結構いい線いくと思ったんだ。モデルケースもいたしね」
組んでいた足を組み直す。
「禪院甚爾」
九十九「そう、天与呪縛によって呪力が一般人並みになるケースは幾つか見て来たけど呪力が0なのは世界中、探しても彼1人だった」
「だから今の所は2という事か」
コーヒーを飲みながら言った。
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作者名:アルマジロ | 作成日時:2023年9月2日 9時