-Episode52- ページ4
私の事を雑魚呼ばわりした男はこの呪術界で古い名のある御三家の五条家の出らしい。
しかも、何十年振りの六眼と無下限呪術の抱き合わせだからかあんな性格になったとか後から同学年の夏油傑が教えてくれた。
家入さんは、教えてくれた夏油さんもかなりのクズだからほっときなって。
「…私、上手くやっていけるのだろうか」
聞いた話によれば先輩達との合同任務もあるらしい。
五条悟と同じで二人だけだったらと考えたら恐ろしくて逃げ出すかもしれないな。
いや、逃げ出す。
今日、一日は座学の至って普通の学校の変わらない授業のみだった。
呪いは視えるけどまだ祓ったことはない私がいざ実践で出来るのだろうか。
寮の一階にある自販機で飲み物を買って取り出し口から飲み物を取り出していると視界の端に人影が映った。
まさかあの男かとすぐに顔を向けたがそこにいたのは、私に似た女の子。
ドッペルゲンガー？
その子は、薄っすらと優しい笑みを浮かべ廊下の奥へと消えて行った。
え、此処って心霊の類が出るの？
「た、ただの見間違い。そう、見間違い」
自己暗示しながら速足で自分の部屋に戻った。
お気に入りのベットカバーの付いたベットへ制服のまま飛び込む。
寝っ転がって天井を見るとなんだか見覚えのある木目の天井。
お婆ちゃんの家かな。
何だっていいや、寝よ。
目を閉じてすぐに私は夢の中へと落ちて行った。
顔がぼやけてよく分からない女の子が私の前を歩いている。
どうしてだろうか顔は分からないはずなのにその子は辺りを見渡していた。
まるで迷子の子のように。
『…と…る』
緊張したような儚い声と共に目が覚めた。
目尻から涙が零れ、頬を伝い枕に落ちる。
雑に手の甲で涙を拭っているとテーブルに置いた充電中の携帯がメールを受信したのか緑色のランプを点灯させていた。
すぐ手に取ると任務のメール。
都内某所、廃墟にて呪霊の発生を確認したとの窓の報告あり。
一年、鵜久森A、二年五条悟、夏油傑、三名は…。
「深夜二時に裏門集合」
今、何時だ。
携帯の時計を見ると二時まで残り十五分。
「やっば！」
すぐに飛び起きて裏門へと走った。
確実にぶち殺される。
クズの五条悟に。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 76人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：アルマジロ
| 作成日時：2023年9月2日 9時
