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-Episode70- ページ22

「傑!」

私の声に悟がこっちを見た。

青く光る六眼。

獲物を見つけた獰猛な動物の様に上がった口角。

夏油「洗脳されてる!」

聞こえた声と共に傑の体が私に飛んで来る。

すぐに足の瓦礫を退かす。

受け止めるが無限で飛ばされているせいで止めきれない。

私達は吹き飛ばされた。

瓦礫の破片が体を裂く。

痛みに声が漏れてしまうと傑に包まれた。

まだ残っていた壁に激突し止まった。

頭が回っているせいですぐに体制を整えれない。

それは傑も一緒のようで動こうとしていたが動けていなかった。

声を出そうにも空気しか出ない。

何度か咳を繰り返しているとやっと声が出る。

「下で何が」

夏油「…分からない。掴まっている悟を解放した途端に無限を使われてしまった」

「止める策は」

夏油「呪力を使い切る他無いと思う」

ゆっくりと体を起こすと体に降り落ちた瓦礫が落ちる。

「そうか」

立ち上がろうとすると腕を掴まれた。

夏油「待って」

「領域は使わない…というか使ったところで押し負ける」

斑点模様が付いてしまった袴を手で埃を落としながら立ち上がる。

夏油「じゃあ、どう無限と」

「分からない」

夏油「分からないって無茶だ!」

「悟に殺されるなら本望だ。まァ、鵜久森Aには申し訳ないが」

一歩、一歩、頭を押さえている悟に近づく。

きっと洗脳に抗っているんだ。

なら近づける。

人、3人分ぐらい近づくと眉間に皺を寄せた悟と目が合う。

「戻って来て」

両手を広げ止まると悟がこっちに左右に体を揺らしながら近づいて来た。

一瞬、悲しい表情を見せたがそれもすぐ消え笑い、私の首を絞める。

この手で殺されるなら私は死んでもいい。

「さ……とる」

途切れ途切れに名前を呼ぶと首を掴んでいる手が震え出す。

五条「ちが…俺……は違う…Aを…」

痺れてあまり力の入らない手で悟の頬に触れた。

冷たくてでもゆっくりと熱が手の平に伝わって来る。

「私は此処にいるよ」

五条「し……ん…だ。あいつ…は」

「悟」

もう一度、名前を呼ぶと俯いていた顔が上がり六眼と目が合うと首を掴んでいる手にまた力が入る。

「あァ、本当に綺麗だな」

そう、一言呟いた。

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作者名:アルマジロ | 作成日時:2023年9月2日 9時

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