-Episode51- ページ3
校舎の入り口で待っていたスーツの男の人が私に頭を下げてくれる。
立ち止まって頭を下げた。
『
「は、はい!」
名前を呼ばれ緊張してしまい肩に掛けている鞄の持ち手を強く握ってしまった。
『教室に案内しますね』
「お願いします」
その人の後に続く。
教室は二階の上がってすぐだった。
お礼を伝えるとその人は笑って去って行く。
優しい。
古びた扉をゆっくりと開けると四人の生徒と先生の視線が私に向く。
夜蛾「遅刻だ」
「すみません」
空いている椅子を指差されるので座った。
黒板に書かれているのは超新入生歓迎会。
夜蛾「悟はどうした」
夏油「さァ?」
家入「知りません」
教壇に立つ怖そうな先生が大きな溜息をつくのと同時に扉が開いた。
夜蛾「悟!遅刻だぞ!」
五条「えー?」
さっき見た人だ。
笑いながら黒い髪の人の隣に座った。
夜蛾「一年生、それぞれ自己紹介」
端にいた駅で見た金髪の男の子から自己紹介が始まる。
七海「七海健斗です」
灰原「はい!灰原雄です!よろしくお願いします!」
二人の名前を心の中で唱えながら教壇の前に立つ。
全員の視線が私に向く。
「う、鵜久森Aです」
体の前で握っている手につい力が入ってしまう。
五条「階級はー?」
「え、あ、えっと…四級です」
五条「雑魚じゃん」
夏油「はァ、悟ー」
四級が一番下なのは分かる。
だけどそんなに馬鹿にしないでほしい。
「特級だかなんだか知りませんがあまり天狗にならないほうがいいですよ」
五条「あァ?」
「ひッ!」
席を立ってこっちに来ようとするので悲鳴が出てしまう。
五条「その髪紐誰に貰ったんだよ」
「し、知りません!気づいたらあっていうかなんて言うか…」
あっと思った時、髪紐を取られた。
髪が舞う。
「返して下さい!」
五条「やだね。これ俺のだし」
何言ってるんだこの人。
綺麗だとか思った私は馬鹿だ。
この人のどこが綺麗だ。
ただのクズじゃないか。
76人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:アルマジロ | 作成日時:2023年9月2日 9時