-Episode59- ページ11
家入さんが言った通り五条悟との任務は過酷だった。
寄り道は当たり前。
報告書は一切書かない。
呪力切れをしても無視。
終いには雑魚なのが悪いと言った。
「はァ…」
深い溜息を机に突っ伏しながら吐く。
灰原「また五条さんにしごかれたの?」
「そう」
灰原「いいなァー。特級の人と一緒の任務!」
「代われるなら代わってあげたいよ」
七海「私は遠慮しときます」
「七海には聞いてませーん」
灰原「俺も夏油さんと一緒に任務行きたいな」
夏油「呼んだかい?」
灰原「夏油さん!」
顔を机から上げると夏油さんが扉から顔を出していた。
夏油「三人共、次私達と体術だからグラウンド来てね」
それだけを伝え夏油さんは言ってしまった。
「私は行かない。どうせ、五条悟に一方的にやられる」
文句の一つを言うと体が浮いた。
「灰原!」
私を米俵のように担ぐ灰原雄。
「七海、見てないで助けてよ!」
無視された。
どうして此処にいる連中は個性が強いんだ。
肩の上で暴れていたがグラウンドが見える頃にはもう諦めてされるがままになっていた。
下ろされて逃げようとすると首根っこを掴まれる。
五条「嫌がんなよ」
「ほ、報告書を書かなきゃなんですよ!」
夏油「灰原、本当かい?」
灰原「いえ!嘘です!」
「はーいーばーらー!」
私は地面に投げ捨てられた。
「ぐェ」
五条「術式は無し、どっちかが倒れるまで」
起き上がっていると頭上から聞こえた声に見上げると長い足の踵落としが私に迫って来ていた。
「わッ!」
すぐに立ち上がってのけぞると顔近くを足が通って行く。
夏油「やるじゃないか」
拍手している夏油さんを睨むと笑われた。
一旦、距離を取る為に二、三歩下がる。
瞬きをした時には目の前で笑っている五条悟は私に突っ込んで来ていた。
もうどうにでもなれ。
地面を蹴る。
大きな手の拳が飛んで来る。
勝敗は一本取られたほうが勝ちではない。
どちらかが倒れるまで。
なら私はこの拳を受ける。
鈍痛が頬に走ったが構わずその腕を掴んだ。
そしてそのまま体を反転させ勢いを流し背負い投げる。
五条悟の体が地面に触れるか触れないかのところで腕を捻った。
地面に着いた瞬間、片手で頭を押さえる。
何か言葉を投げかけようと口を開いたら歯が飛び出た。
最悪。
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作者名:アルマジロ | 作成日時:2023年9月2日 9時