-Episode9- ページ10
Satoru Gojo side
家入「うん、完璧な処置されてる。傷跡も数日で消えると思う」
夏油「悟、いつまで不貞腐れているんだ」
五条「あんなのチートじゃねェか」
手の甲に残った傷跡を見ながら言う。
夏油「驚いたよ」
五条「あ?」
夏油「君があんなことを言うなんて」
家入「あんなこと?」
夏油「近衛さんは五条家の先祖様にまじないをかけられているそうでね」
家入「それまじないなんて可愛いものじゃないでしょ。五条家絡みだし」
夏油「……輪廻転生だそうだ」
家入「あーなんとなく分かったかも。死んでも別にまた生き返るからいい、とでも言った?」
夏油「正解」
家入「五条、アンタがそれに何か言うのは珍しい」
夏油「いつもだったら勝手に死んで生き返っておけば?ぐらい言うと思ってたよ」
俺にも分からなかった。
あの時、どうして手が出てあんな言葉を放ったのか。
傑が言うようにいつのもの俺だったら別に興味も無いからはいはいと流していたのに。
何も言わずに傑の部屋から出た。
隣の自室を通り過ぎて一階の自販機へと向かう。
時々、軋む音を立てる床板。
階段を一段飛ばして下りる。
薄暗い休憩スペースに静かに鎮座している自販機。
ポケットの中に入っている小銭を数枚入れるとボタンが数個光る。
その数個の中から甘ったるい炭酸ジュースのボタンを押す。
重たい音を立てて落ちて来る缶を取り出してプルタブを開けて口を付けようとすると窓の外に近衛Aが見えた。
俺に気づいていないのかそのまま歩いて行ってしまう。
今朝、アイツを見た寮はもう誰も使っていない旧寮。
その寮の方角とも違う方向に今歩いて行った。
夏油「悟、買いに行くなら教えてくれよ。どうかしたのかい?窓の外なんか見て」
五条「別に」
夏油「またそんな甘い物のにして」
五条「誰かさんのせいで疲れてんだ」
夏油「明日、近衛さんに謝ってくれよ。まだ同行期限あるんだし」
五条「……気分が良かったらな」
Satoru Gojo side end
109人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:アルマジロ | 作成日時:2023年8月8日 22時