-Episode8- ページ9
地面を蹴って走る。
その間に弾を構築していく。
先程、私が吹き飛ばした場所に土地神の龍がいた。
作り上げた弾を筒の中に入れる。
強く地面を蹴り、近くの葉の無い木を蹴って高く飛び上がる。
落ちて行く中、引き金に手を掛け弾を撃ち込む。
鱗に当たると爆発するが無傷だ。
なら。
銃の先に付いた剣で刺すまでだ。
突き刺すように先を向けながら落ちる。
鱗に当たった瞬間に剣が真っ二つに折れた。
折れた先が頬を掠める。
弾も撃ち込むがやはり効かない。
動揺していて飛んで来る尻尾に気づくのが遅れた。
銃身でガードするが重量に体は負け飛ばされる。
「くッ…」
地面に叩きつけられた。
立ち上がろうとしている私に今度は、長く伸びた爪が付いた手が来る。
銃身で守ろうとしたが亀裂が入っていた。
五条「目だ！」
近くで聞こえた声に銃口を金色の目に向け、弾を撃ち込んだ。
鱗よりも若干柔らかったのか目を弾が貫通すると龍はもがく。
その隙に夏油傑が取り込む。
大きかった龍は、小さな球体へ。
息を吐き出して下りている帳を解除すると疲れが一気に体を襲う。
廃寺の階段に腰掛けていると五条悟が私の前に立った。
五条「風の術式、高専のではない呪具庫の出現、反転術式、それに構築術式何者だ」
「私は今から1000年前に生まれました」
五条「は」
「死んでもまた別の体で生まれ変わるという輪廻転生のまじないを御前試合で死んだ五条家の男にかけられました」
夏油「まじない」
「可愛く言えばですよ。実際は死ねない呪いをかけられたようなもんです」
今も私と違う方法で肉体を渡り歩いているあの男がこの事を知ったら嬉しそうにするだろう。
羂索。
「呪いを解く方法は分かりません。だから今後任務で私の事は助けて頂かなくて大丈夫です」
立ち上がると渇いた音が聞こえた。
じんわりと頬が痛みだす。
五条「俺、お前嫌いだわ」
そう言って五条悟は、背を向けて去って行った。
頬を擦る。
『僕に沢山尽くしてくれた君には幸せになって欲しい』
忘れていた。
あの時の言葉が今、何故か蘇った。
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作者名：アルマジロ
| 作成日時：2023年8月8日 22時
